あらすじ:1915年、ノルウェー。孤島に罪を犯した少年の更生施設がある。そこでは、名前を奪われて番号で呼ばれる少年たちに対し拷問に近いことが行われ、さらには刑務官による性的虐待まであった。ある日、エーリングという少年が送還されてきた。そこから、孤島が狂い始める。
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少年院と呼べばよいのでしょうか。エーリングといい、ほかの少年たちといい、すばらしい顔つきの役者をよくもまあここまでそろえたものです。
エーリングなんて、明らかに悪そうで、反社会的、暴力的、間違いなく事件を起こすぞというやつです。虐待される少年ときたらまさに弱々しい顔つきですし、その他大勢、チビやらでかいのやら、メンツはすごいですよ。
冒頭でエーリングが船で運ばれてきます。その時点で、島の施設はまともじゃないという情報がさりげなく提示されています。普通ではない秩序がある更生施設だよ、というのがビンビン伝わってきます。そこにエーリングの登場ですから、あとはその秩序がどのように破壊されていくのかをただひたすら鑑賞するのみです。
新入りのエーリングに対して他の少年たちから〝かわいがり”があります。しかし、それをエーリングは軽く乗り越えます。むしろその少年をぶちのめします。拳と拳がぶつかれば、彼らは仲間なのでした。
当然暴れん坊のエーリングに対して厳しい処罰が、拷問としてぶちこまれます。なんと、2地点間で岩を運ぶという気が狂いそうな内容です。でも、エーリングは強いんですね。へこたれません。
そのあと早い段階で彼は脱獄します。そんな彼を、少年たちは英雄のように扱います。しかし、本土から再び送られてくるのでした。
とにかく、話の展開が早いです。飽きません。淡々としているようで、しっかりと彼らの苦悩や痛みが伝わってきます。
終盤の少年たちの蜂起なんか、手に汗握るとしか言いようがない見どころでした。
なかなかの良作じゃないですかね、これ。