やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「ドライヴ」を観てきた感想(ネタバレ)


あらすじ:ロサンゼルスで、自動車修理工で糊口を凌いでいる若い男(ドライバー)がいた。彼は運転技術に優れ、しばしば映画のカースタントマンをつとめている。しかし、夜には強盗の逃がし屋もしていた。彼はアパートの同じ階に住む人妻アイリーンと恋に落ちる。彼女の子供とも仲良くなった。ほどなく服役していた夫スタンダードが釈放された。
 夫は足を洗う決意ができていたものの、刑務所の中で家族を守るためにやむをえず莫大な借金をしていた。釈放後、その借金を巡ってスタンダードが襲われる。スタンダードはドライバーにその場を目撃される。事情を知ったドライバーはアイリーンたちを救いたいために、スタンダードの強盗計画に乗り、逃がし屋をすることになった。計画は実行されたが逃がす直前でスタンダードが銃殺された。しかも、ドライバー自身も追われる羽目に。
 そこからドライバーは組織の大きな動きに巻き込まれてしまうことになる。スタンダードが狙っていた場所は実はドライバーがカーレースで協力することになった資産家とつながっていた。ドライバーは、黒幕を知り、その資産家とも対決する。

 今年に入って、この作品が映画館で観た32本目となりました。ところが、いまだに「やっべー、すんげー面白い!」と思える映画に出会えていません。今年は不作なのでしょうか。出会いに飢えている私はこの作品に期待していました。しかし、良い作品ではあるけれどもものすごく良いとは言えないものでした。それが悔しくて悔しくてしかたないです。どうしたのでしょうか、今年の私は。
 この映画だって悪くないですよ。ドライヴの主人公ドライバー(作中で名前が出てこない)はひどく寡黙で、ずっと微笑で、まるでターミネーターみたいな不気味な男です。そんな男がグイグイと物語を引っ張っていくのです。黒幕のニーノや資金援助してくれるはずだったバーニーを殺すときには寡黙だった彼が狂気を見せます。ためこんでいたものを爆発させる瞬間は見物ですよ。ただ、そこまで入りこめていけるようなものではありませんでした。
 物語の進み方も緩急があります。100分という、普通の長さですがけっこう短く感じます。基本的に静かな話し運びでして、慌ただしい場面がありません。それなのに、血肉がブシャブシャ吹き出す残酷な場面もあります。だからこそ、残酷な部分がますます露骨に思われてきて、良い意味で作品を楽しめてしまいます。
 あとは、音楽が古いというか、ダサいというか。アクション映画に分類される作品なのでしょうけど、激しい音楽がかかりません。それもまた良い味を出しています。
 こんなに良いところがあるのに、どうして私はこの映画をあまり楽しめなかったのでしょう。理解に苦しみます。はたして、今年の私はめちゃくちゃ面白い作品と出会うことができるのでしょうか。