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ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「アジョシ」を観てきた感想(ネタバレ)

アジョシ オリジナル・サウンドトラック

アジョシ オリジナル・サウンドトラック

 韓国製映画です。主演はウォンビン、色男でした。
 あらすじ:テシクは質屋を営んでいる。隣に住む少女ソミくらいしか親しい人間はいない。ある日、ソミの母親が組織から薬物を盗んでテシクの質屋にこっそり預けたためにソミは誘拐され、テシクも巻き込まれる。テシクはソミを救うため組織と戦うのであった。
 このテシクが明らかな曲者ってわかるんですよ。主役のテシクが殺人鬼だよみたいな話は事前に知っていたので、どこでそれが明らかになるのか、ドキドキでした。
 まずは質屋に組織がやってきてテシクを襲ったところで、華麗な手さばきを見せてくれます。財布を取り出して相手のナイフをはさんで奪うという。やべえ、かっこよすぎる!
 ちなみに、話としては王道のアクションです。とにかく王道です。組織の用心棒(ベトナムから来たらしい)がテシクの腕を見て、「一度手合わせ願いたい」という感じで戦いたがりますし。誘拐された少女を探すあたりはフランス映画の96時間みたいな感じですな。
 もう、テシクがかっこよすぎるんですな。これまでのハリウッドや香港映画のアクション物でこんな色男がいましたか? マッチョとかセガールとかマクレーンとかそんなのばっかりでしょ。
 でも、ウォンビンはどうでしょう。ひょろいくせに、セガール並のアクションを見せ付けてきましたよ。最後に、組織のボスをやるときはしっかりと今までにない新しいやり方を見せてくれましたし。
 そのやり方とは、防弾ガラスのベンツにボスが逃げこんで、助かるために警察を呼んでしまうのです。防弾だからテシクの銃ではどうしようもないですな。ボスは安心してゲラゲラ笑うんですが、テシクは防弾ガラスに銃口を当てて何発も撃ちこみます。そしたらだんだんヒビが入って、とうとう穴が開いて、ボスを撃ってしまうんですね。やべえ、すげえ、テシクかっこええ。
 組織の用心棒もまたテシクと戦いたいだけなんですね。ボスの命令でソミの眼球を摘出してビンにつめました。ボスがそれをテシクの前で釣竿に釣り下げてプールの中でぷらぷらさせます。それを引き上げて転がすんですよ。テシクの怒りは頂点に達しますわな。
 それで、テシクは殺しまくり、用心棒とも壮絶な戦いをやってのけて、そして、最後の最後にソミが無傷で登場するわけです。やってくれるね、用心棒さんよ。この用心棒の「銃を向けても動じなかった」というセリフが最高ですな。それを言いながら武者震いしちゃってるし。
 テシクはセリフが少ないですが、無表情の中でのちょっとした変化でだいたい内面を理解できますし、脇役もまた良いものがそろってます。ビジュアルが、前半では前髪を垂らして片目を隠しているし、後半ではその髪をばっさり切って、この切る瞬間とか、これがまたかっこいいし。
 組織とテシクを追う警察のチーム長の部下とか。ボスの弟とか。
 この映画は、話としてはものすごくしっかりした王道です。王道ゆえに楽しめますし、はずしたところもありません。ただ、ちょっと長いかな。せめて110分くらいに抑えてほしかったかな。あと、韓国映画は猟奇的な場面が多いですが、このアジョシでもグロい場面がありますので、ご注意ください。
 みんなが安心できるエンディングは、そういえば韓国映画としては珍しいかもしれませんが、この安心がまた良いね!
 韓国映画は良いね! 日本映画もがんばってほしいですなあ。たぶん、韓国映画の良いところしか見てないから「良い!」と思ってるんでしょうけど。