やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

トロ助がグラントリノの感想を言う

グラン・トリノ [DVD]

グラン・トリノ [DVD]

 普段の私はライオンズのユニを着ていたりへそにピアスしてるような迷える羊の側なのにこの映画を観てるとウォルトコワルスキーと同じ気持ちになって迷える羊に対して怒るんですよ、本当に勝手です。コワルスキーさん、ペッペッとつば吐きすぎです。タイのキックボクサー風ダイエットかな。
 モン族のギャングが乗っている車はホンダシビックだったのですが、話の流れで彼らを朝鮮人だと誤解してしまいまして、何でヒュンダイに乗ってないんだろ、おかしいなと思ってしまいました。しょせんは私も民族や人種のことを何もわかっていないのです。異文化なんて理解できるわけないんです。朝鮮で犬食ったり日本でクジラ食ったりそんなの理解できるわけないんです。相互理解なんてありえないんですよ。でもね、異文化というものは体験して知ることならできるんです。ウォルトはモン族の文化を体験しました。体験していく中で彼はどんどん変わっていきます。理解はしないけど知るんです。異文化は、理解するもんじゃない、知るもんだ。
 それにしても中西部って多民族なんですね。ほとんどホワイトかなと思ってました。合衆国はまだまだわからないことだらけです。しかし、それにしても彼らは車が好きですなあ。特にいじるのが本当に好きですなあ。あっちの若者も車が好きなのでしょうか。ウォルトが「仕事がない、車がない、恋人がいないなんてだめだ」みたいなことを言いますけど、まさに今の日本の若者じゃないですか! アメちゃんと日本の車に対する思いのちがいですが、日本車って日産GTRにしても性能はすごいけどモノでしかなくて、欧米はモノじゃないんですよ。グラントリノという車を見てもかっこいいと思ってしまったし。そんな私はマツダが大好きです。
 コワルスキーさんはなんだかんだで酒やたばこをやって良い仲間も大勢いるのでうらやましいです。なんだかんだでものわかりのいい人ですな。それにしてもダーティハリーのような強さがあるおじいさんでした。強い!
 観ていると、これはもう最悪の結末が来るというのがわかってしまうのですが、案の定最悪の結末があるのですが。スーがやられ損やないか! くそっ! 俺がウォルトさんの代わりにあいつらをぶっ殺してやるよ!
 というわけで、グラントリノを観ている約2時間、ずっと泣きっぱなしでした。観終わったあとの1時間ほども泣きぱなし、5時間くらい経過しても放心状態でした。あまりにも突っ込みどころがなさすぎるんです、まったくないわけではなくてたとえばグラスを落とす場面は下手だなと思うのですが。とにかく、あまりにも美しくまとめられている映画でして、無駄がまったくなくて、もう、本当に、わが生涯で最高の映画かもしれません。今、これまで観てきた映画のランキングを作成中ですが、1位を塗りかえてしまいました。名作を観ていないのがバレバレかな。
 つーか、いまどき合衆国産の車を作っているのは日本のメーカーだけでしょうに。フォードやGMなんてカナダやメキシコで生産してて、合衆国内で作られた部品を使って合衆国内で車を組み立てているのは日本のメーカーだけでしょうに。
 というわけで、グラントリノ、あまりにもすばらしすぎて大絶賛を通り越しました。