やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

2013年鑑賞映画感想/ザ・レイド/デルタ・フォース/栄光のル・マン

284.ザ・レイド
 2011年インドネシア
 監督:ギャレス・エヴァンス
 脚本:ギャレス・エヴァンス、アリオ・サガントロ
 トロント国際映画祭で高評価、ミッドナイト・マッドネス賞受賞。
 麻薬王が支配する高層ビルを舞台に、強制捜査に入ったSWAT部隊と、迎え撃つギャングたちとの戦いを描く。

 冒頭でこのあとどのような状況に突入するのかすべてセリフで説明されてしまったのが残念です。お互いに銃を使っていたのに、いつの間にやら生身の戦いへ移っていくなど、雑なところが散見されます。映画に罪はないけど字幕がかっこ悪いのもダメです。
 ところで、ギャング側が持っていた銃がFBI御用達のシグサーベルだったように思うのですが、どうでしょうか。
 そんなことよりもアクションです。新興国特有というべきか痛そうなアクションで、さらにその上に残酷な描写が多いです。血です。きっついです。
 舞台設定が面白いし、あとは、兄弟拳が良かったですよ。冒頭の「必ず連れて帰るよ」の意味ですね。
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285.デルタ・フォース
 1986年アメリ
 監督、製作総指揮:メナハム・ゴーラン
 脚本:メナハム・ゴーラン、ジェームス・ブルーナ
 1985年7月19日、アテネ発ローマ経由ニューヨーク行ATW282便がレバノン元軍人のテロリストによってハイジャックされた。偶然、乗客にユダヤ人がいることを突き止めてほかの乗客とは別々に隔離した。
 この事態に、合衆国政府はデルタ・フォースによる解決を目指した。

 アラブとユダヤ以外にもいくつかの民族の主張が交錯する複雑な部分もあります。意外と、深い内容です。ドイツ人乗務員の抵抗が印象に残りました。もちろんお粗末な部分が多いのですが、それはもうチャック・ノリス主演だから許されるということですね。
 主題曲がかっこいい!
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286.栄光のル・マン
 1971年アメリ
 監督:リー・H・カッツィン
 脚本:ハリー・クライナー
 製作:ジャック・N・レディッシュ
 製作総指揮:ロバート・E・レリア
 フランスのル・マン郊外で開催される自動車レースの祭典「ル・マン24時間耐久レース」。アメリカ人レーサーのデラニー(スティーブ・マックイーン)はガルフ・ポルシェチームの一員として戻ってきた。前年はライバルのフェラーリと衝突して相手のドライバーが死亡している。未亡人となったリサ(エルガ・アンデルセン)の姿もある中、ついにレースは始まる。

 自動車レース大好きのスティーブ・マックイーンが自ら率いるソーラー・プロダクションの総力をあげて作り上げたとのことです。70年の実際のレース映像も盛り込まれています。たしかに、今作はややドキュメンタリーのようでもあります。ひたすら淡々と走る内容ですし。
 はっきり言って、自動車レース好き、F1好きでなければ楽しめないかもしれない映像の連続です。ドラマがほとんどありませんし。リサのセリフ「人より速く走って何になるというの」がまるでこの映画そのものを表しているようでもあります。
 ル・マンのレースは第一次大戦直後から続いていて世界三大レースとも世界三大耐久レースとも言われています。そんなル・マンですが、1970年のレースから『ル・マン式スタート』をやめるという、節目のときだったようです。
 内容が内容なだけに興行的に失敗した本作は日本ではヒットし、日本勢の参戦熱を掻き立てたとのことです。マツダル・マンで総合優勝するのも91年で、日本はやたらと影響を受けたようです。反対に、ソーラー・プロダクションは解散しました。その後、日本で本作の配給元となった東和が宣伝のために多くの企業とタイアップ契約を交わし、映画の映像がCMで使われました。マックイーンは知らないところでそんなことになったから裁判を起こしたのですが、日本国内では裁判に対する理解が得られなかったようです。日本とはいろいろ因縁のある映画となりました。
 ひとつ気になったのはフランスなのにマイルなんですね。メートルじゃないんですね。
 ル・マン入門のような映画ですので、興味があればぜひご覧ください。自動車レースに興味のない私が楽しめたから、きっと大丈夫!