やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「囚われた国家」鑑賞感想

ポスター画像

2020年4月日本公開

監督:ルパートワイアット

脚本:エリカビーニー、ルパートワイアット

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あらすじ:2019年、地球人類は地球外生命体によって支配された。各国はアメリカ合衆国主導でザ・ローチと呼ばれるエイリアンの統制下に入った。大都市の中心部は閉鎖地区として人類はいっさい入ることが許されない。その閉鎖地区の地下深くにエイリアンの居住区が建設されている。2027年、シカゴではレジスタンスが市内スタジアムで開催される団結集会の爆破テロを計画する。シカゴの捜査官マリガンはその首謀者を捜査するが、上層部や世間はレジスタンスが前回の爆破テロ失敗で全滅したと信じていた。そのため上層部や同僚がマリガンに捜査をやめるように言う。しかし、レジスタンスは存在していて、スタジアム爆破テロ計画は実際に進んでいた。

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 これまで地球人類は多くのエイリアンによって侵略を受けました。だいたいは攻撃の第一波の中で地球人類が反撃に成功して勝利するわけです。特にインデペンデンスデイはわずか3日で人類の勝利となりましたね。そんな中で地球征服に成功したエイリアンはなかなかありません。銀魂は成功した部類に入るでしょうか。バトルフィールド・アースは長年にわたって地球を統治した部類に入りますね。

 今作のエイリアンは、地球侵略を企てた奴らの中で最も地球人類をうまく統治したでしょう。人類の特性をよく理解していて、文明、都市などを破壊せず大量殺戮せずに人類を従属させた上でその後の統治もうまくやっているように思います。何しろ今作の人類は一見すると今と変わらない日常を送っているのです。

 はてさて、今作はたいへん説明不足だと思います。

 エイリアンがどこから来て、どんな能力があって、数がどれほどなのか、よくわかりません。そして、何よりも爆破テロによって何がどうなるのかよくわかりません。爆破する目標はある人物です。エイリアンに協力している重要人物です。それを殺したところで何が変わるというのでしょう。レジスタンスの主張は、反抗を続けて人類すべてが立ち上がるときを待つということのようですが。今回の人類は何がダメかというと、エイリアンの弱点を知りません。どうやら本隊というか本星があるみたいですけど、それも知らずにどうやって勝利するというのでしょう。抗うことこそが大切なのだと本作は言いたいようですけど。

 見ているこっちは、何が起きているのかよくわかりません。

 統治によって貧富の差が拡大した、街が荒廃したというのですが、そのようには見えないのです。レジスタンスに加担している少年の兄がやたらと「湖を渡って逃げろ」と言います。湖の向こうは荒れているというセリフがありますけど、それもほんのわずかなセリフのみなのでした。シカゴからニューヨークなどへ向かう高速バスが出ている描写がありましたけど、それならあまり荒廃していないように思えます。シカゴの湖の向こうはカナダでしょう。カナダは荒れているということでしょうか。それを映像で見せてほしかったです。

 とげとげのおぞましいエイリアンが出てきます。車のフロントガラスを簡単に割るのですが、人間が素手で殺害していました。なんじゃそりゃ。

 エイリアンにはいろいろなタイプがあるようですが、その中にドローンみたいなやつがいます。それが大挙して少年を襲撃します。少年が薄い壁に囲まれた小さな部屋に閉じこもると少年はなぜか助かりました。ドローンがすべて破壊されていました。いったい何が起きたのかさっぱりわかりません。

 従属してはならない、抗い続けなければならない、それはわかりました。でも、この映画では何が起きているのかわかりません。