2015年3月日本公開
監督、脚本:ラナ・ウォシャウスキー、アンディ・ウォシャウスキー
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あらすじ:ジュピター・ジョーンズ:ミラクリスは、すばらしいことを為すという予言とともに大西洋上星空のもとで生まれた。しかし、成長すると掃除屋という過酷な仕事を家族といっしょにして貧しい生活を送っていた。ある日、彼女はエイリアンに命を狙われる。そこをケイン:チャニング・テイタムに救われる。彼は狼とヒトの遺伝子を合わせ持った元兵士であり、宇宙を支配する王族の一派から雇われていた。ジュピターは宇宙の王族どうしの争いに巻き込まれていく。
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期待せずに鑑賞したら期待しなかったとおりの作品でした。
序盤のケインと傭兵の戦闘は面白いです。シカゴを舞台として、空中を走ることができるブーツを履いたケインがガンダムのビームシールドみたいなもので身を守りながら戦います。敵も光学迷彩で姿を消し、空飛ぶバイクなどに乗っています。それがシカゴで対峙すると面白い絵になりました。
そのあともシカゴで戦いが続きます。空飛ぶブーツのケインがジュピターを抱いて宇宙から来た戦闘機に追いかけられる絵がシカゴの摩天楼で展開されます。楽しいです。ただし、大勢死んでるよね、その点はジュピターちゃんとしてどう思うのでしょうかね。
見ていてハラハラする絵は、以上で終わります。序盤でシカゴから脱出し、舞台は宇宙に移ります。すると、現実味のない絵が始まりました。つまんないです。
そもそも物語もよくわかりません。
ジュピターがアブラサクス家3兄弟の母の生まれ変わりはいいとして、いつどうやって生まれ変わったのですか。
ケインがアブラサクス家の首に咬みついた件も詳細が語られないままです。伏線を回収せずに淡々と物語が進むのでした。
ジュピターが3兄弟の間をあっさりと行き来してしまいますし、これといった緊張感もないのでした。
それにしても、ウォシャウスキー姉弟は人類栽培が好きですなあ。今回も人類は、宇宙の富裕層が永遠の命を得るための栄養源でありそのために栽培されているのでした。そもそもアブラサカス3兄弟のタイタスは希望だのなんだの人のよさそうなことを言いながら結局は地球を自分のものにしたいだけでしょう。
3兄弟にもっと戦わせたらもう少し面白くなったのではないですか。
だいたいこんなに科学の進んだ宇宙のみなさんならわざわざ人類を栽培する必要もないと思うのですが。
最後に、とうもろこし畑にできたミステリーサークルやグレイ型エイリアンには笑いました。