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ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「オブリビオン」を観た感想(ネタバレ)

 ジョセフ・コシンスキー監督、トム・クルーズオルガ・キュリレンコら主演のSF。
 西暦2077年、60年前に起きた異星人スカヴとの戦争で勝利したものの地球は荒廃し、人類の大半は土星の衛星タイタンへ移住した。そんな中、地球にたった2人だけ残った元海兵隊司令官ジャック・ハーパー(トム)とヴィクトリア・オルセンアンドレア・ライズボロー)は上空から地上を監視する日々を送っていた。ある日ジャックは墜落した宇宙船の残骸から謎の女性ジュリア・ルサコーヴァ(オルガ・キュリレンコ)を助け出した。そこからある事実に近づいていくこととなる。

 どこかで観たことのある映像があり、ある種のニューヨーク観光旅行でもあり、面白い映画です。この先はネタバレ満載なのでご注意ください。
 ジャックがロープで穴に降りる場面なんてミッション・インポッシブルですし、ラストのお手製核爆弾を巨大宇宙船に持っていく、巨大宇宙船に入れてもらう場面なんてそのままID4です。巨大宇宙船の中にジャックとヴィクトリアのクローンが大量に並んでいる場面はマトリックスです。
 お手製核爆弾の爆破に成功して宇宙に花火が上がる場面もID4です。
 ジャックが操縦する小型機はニューヨークと思われる付近を飛行します。その前に、月を破壊されたことによって地球はとてつもない大災害に見舞われました。ニューヨークほどの摩天楼が大地に埋もれています。地上はどこも砂漠と化しています。大地は割れ、以前の地球は観る影もありません。月を失ったら地球はこんなことになるのです。
 とにかく、破壊された大地を小型機で見てまわるのですが、自由の女神の松明が見えたり、マンハッタンにつながる橋、エンパイア・ステート・ビルのてっぺんだけがタワーのように地上に立っていたり。
 これがある種の観光になっています。
 楽しい映像の連続です。楽しいというのはおかしな表現になってしまうのですが。
 さて、ジャックとヴィクトリアに指示を出しているテット(巨大な三角形の宇宙船)は地球を周回する宇宙ステーションということになっています。海には海水を汲み上げて次世代燃料に変える巨大プラントがあります。ジャックたちはそれをスカヴというエイリアンの残党から守る任務についています。
 ところが、そのスカヴこそが地球人類の生き残りだったのです。テットこそが地球を攻撃した宇宙からの侵略者だったのです。
 ジャックとヴィクトリアはもともと60年前にテット調査のため宇宙に派遣された宇宙飛行士だったのですが、テットが2人をどうにかしたようです。記憶を消し、クローンを大量に作って、地球侵攻の兵士へと変えたのでした。地球人類はジャックと戦って敗北したというわけです。
 ジャック強し。
 スカヴ側はジャックと戦ってきたのですが、長老がジャックを仲間にすることはできないかなと思って、それが成功して、テット破壊につながるのです。
 いや、よかったよかった。もしかしたら人類敗北エンドなんじゃないかと少し不安になりました。やっぱり人類の勝利を見続けたいです。
 ただ、テットは地球を侵略しにきた数々の敵の中で最弱なんじゃないかと思いました。テット自体には攻撃の能力が無さそうですし、テットはドローンという小型兵器を操っているだけです。人類はなぜ負けたのでしょう。
 ああ、まずは月を破壊されて地球に天変地異が起きたからか。だから、ここまでボコボコにされたのか、なるほど。とにかく、月は地球の生命にとってものすごく重要な天体だということが皆さんにご理解いただける映画です。
 最後に、オルガ・キュリレンコのスタイルがたいへん良かったです。足が長くて、アニメみたいな体型ですな。顔もよろしいですし。どこかで観たことあるなあと思ったら007慰めの報酬ですね。ソ連時代のウクライナ出身だそうで、だからそんな名前なんですね。
 それでは、人類に勝利を!
173(2013年6月映画館にて鑑賞)