観るクソ映画をサイコロを振って決めて、このブログで感想を述べるという新しい企画です。
観る前からクソと決めつけるなんて本当にひどいですが、あくまでこの企画はヤラサレ企画なので仕方がありません。もしかしたら私にとっては面白いかもしれませんよ。
しかも、某ラジオ番組の看板コーナーを思いきりパクっているときたもんだ。いろいろひどい企画ですね。
さて、先週サイコロで当たったクソ映画は『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』
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2010年公開の日本映画。中田秀夫監督。
米澤穂信の小説「インシテミル」が原作。
あらすじ:フリーターの結城(藤原竜也)は、謎の美女・須和名(綾瀬はるか)に紹介された時給11万2000円のアルバイトに参加する。その内容は、暗鬼館という場所で、男女10人が7日間暮らすという心理実験らしい。結城が与えられた部屋に入ると、そこには謎の箱があった。その中には火かき棒が入っている。暗鬼館のルールでは、事件があった場合に誰かが“探偵”になり“犯人”を決めなくてはならないという。
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まず、原作未読であることを申し上げます。
原作を読まないと何もわからないなんて、すばらしい商売を仕掛けてきたな!と感心しました。10人それぞれの部屋に武器の入った箱があります。武器といっしょに紙があります。たとえば、結城の紙には『撲殺・火かき棒・<まだらの紐>』と書かれています。
いっしょに入っている武器が火かき棒なのはいいとして、<まだらの紐>って何だという話ですよ。ここが原作を知らないとわからない部分ですよ。まだらの紐というのはコナン・ドイルの短編小説なんですね。原作の存在する映画は嫌い!
この映画は一見さんお断りということでしょうかね。
ちなみに、この紙に書かれている文言が作中で生かされることは一切ありませんでした。何の意味もありませんでした。渕のセリフで「10体の人形、そして誰もいなくなった」というのがありますけど、こんなのはミステリ小説を生かしたことには絶対にならないですからね。
ほかにも意味のわからない部分がいっぱいあります。
たとえば、最初に死体になってしまった西野がガードというロボットによって運ばれていく場面です。棺桶の中に放りこまれたのですが、その場面に皆が集合します。そのとき棺桶の並ぶ部屋のドアが閉まります。なぜ閉まったのか。謎の演出ですね。ドアが閉まったことに誰も反応しませんし。
そもそも異常な時給のバイトに参加した彼らの理由がありませんよね。何かしらの重大な理由を持っているようですが、それらが作中で触れられることはありませんでした。
それらの理由などについては原作では語られているはずであり、ただ、それをひとつの映画にしようとすると尺が伸びるとかいろいろ制約があって難しいでしょう。
この映画では、そういう理由とかこのゲームがなぜ行われているのか、そんなものを一切排除していかないと尺が足らないです。10人も参加者がいますから。
CUBEという映画では人物の背景をさらりと流して、彼らが閉じ込められている理由をできるだけ排除していましたから、リアリティの有無など気にせずに楽しめる映画となっていました。インシテミルは変にリアリティを入れようとして失敗しているように思います。
あとは、役者の演技です。
藤原竜也の独特な演技が浮いています。綾瀬はるかってこんなに演技が下手だったかなと心配になりますし、阿部力や新人の大野拓朗なんて、ひどいと言っていいでしょう。
それにしても、世間でのこの作品の評価はだいぶひどいです。褒めている方もいますが。
そのことに対して製作者や役者などの関係者はどう思っているのでしょうか。世間での評価がひどいことを把握していないのか、それともそんな評価を気にしていないのか、それともなぜ悪評されているのか理解していないとか。
もしかしたら、スタッフたちは制作プロダクションや製作委員会からやらされているだけで、結果は目に見えていたのかもしれません。単なる志の低さだけなのかもしれません。製作側は、何も知らずに集まってくる観客を目当てにしていたのかもしれません。
どの程度の観客動員があって、DVD化などで回収できる額の予想はあるはずです。その予想をもとにして映画会社は映画を製作しているはずです。
作ってみたら予想外の出来栄えになって、でも公開しないよりはマシだから公開しようかということになってテレビ局の宣伝でがんばって観客を集めたというところかもしれません。
とにかく、「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」は石原さとみが死体を発見したときの演技がおすすめです。(61)
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それでは、次週観る予定の賽の目クソ映画を発表します。
T氏とM氏のお二人が合計70本ほどの大量のタイトルを書いたリストを出してきました。
まずは既に鑑賞した作品を削除して、レンタル不可を削除して、調べたら3種類出てきたものはわからないから削除して、タイトルひとつひとつに番号をつけて、44本となりました。
2組にわけて、サイコロアプリを使って奇数組と偶数組のどちらかを選びます。奇数組サイコロ5個を振って5〜27(28〜30が出た場合はもう一度振る)を選び、偶数組サイコロ4個を振って4〜24を選びます。私のiPhone5のサイコロアプリならサイコロを最大9個まで転がすことができます。
というわけで、まずはサイコロをひとつ振って偶数と奇数のどちらかを選びます。
(リストが膨大なので公開はやめておきますね)
それでは、Let's SAIKORO time!
「5」が出たので奇数組から選びます。
次に、サイコロを5個振ります。
「18」、ええと、『その男、ヴァンダム』
来週の賽の目クソ映画は『その男、ヴァンダム』です。果たして、クソなのかどうか。
期待せずにお待ちください。