内容:アメリカB級映画の帝王ロジャーコーマン。本人へのインタビューを交えながら、彼とかかわった俳優や監督たち(ジャックニコルソンやマーティンスコセッシなど)の彼に対する思いを爆発させたドキュメンタリー。
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映画館でドキュメンタリー映画を観るのは初めてです。
ロジャーコーマンを皆さんはご存知ですか。
1926年生まれの健在。
低予算映画専門の映画プロデューサー、映画監督。
監督または製作してきた映画の本数は450本以上。
彼が輩出した俳優、映画製作者はコッポラ、ジェームズキャメロン、スコセッシ、ロンハワード、ジョナサンデミ、デニーロ、ジャックニコルソン、デニスホッパーなどなど。
いかに短期間で製作し、利益を出すか。そのためには観客への迎合もする。
時には1960年代の黒人差別に迫ることもあった。
常に、時代を改革しようとしてきたがそれも映画で利益を出すため。若者が求める娯楽作品を製作し続けてきた。
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自慢ですけど、私はロジャーコーマンを知っています。10年位前に「宇宙の7人」というクズ映画を観ました。ほかには「デスキューブ」とか。
正直に言うと、コーマン映画はきついです。つまらんです。最高にB級を楽しむ手腕がなければ難しいかもしれません。
でも、そんなロジャーコーマンがアメリカ映画界に与えた影響は計り知れません。
あんなクソ映画で彼はひたすら利益を出してきたわけで、その手腕はすばらしく、彼が育てた(彼から離れていった)人々は今では有名な人ばかりですし。
ロジャーコーマン恐るべし。
さて、そんなコーマンが「映画に何十億もかけるくらいのは間違っている。その金は社会のために使うべきだ」と語っています。うーん、手厳しいですね。ただ、このセリフは、もしかしたら「ジョーズ」や「スターウォーズ」などの成功によって追い込まれてしまったコーマンのひがみかもしれません。
あと、ジャックニコルソン、あんた、コーマンのことをけっこう嫌ってるだろ! 憎しみもあるけど好きでもあるのかな。
ちなみに、作中にジェームズキャメロンは出てきませんでした。
コーマンって、アカデミー名誉賞を受賞しているのですね。作中で受賞する場面があるのですが、目頭が熱くなってしまいました。とはいえ、コーマン映画を観ようとは思いませんけどね。