やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「戦火の馬」を観てきた感想(ややネタバレ)


あらすじ:第一次世界大戦、激動のヨーロッパが舞台となる。故郷であるイギリスから遠く離れた戦地を、必死に駆け抜いた一頭の馬がいた。その名は、“ジョーイ”。数奇な運命に導かれるようにジョーイが巡りあったのは、家族のような絆で結ばれた少年、軍馬を誰よりも大切にするイギリス人将校、ドイツ軍を脱走した幼い少年兵の兄弟、両親を亡くしたフランスの少女、そして、死と隣り合わせの戦場ですれ違う、数多の名もなき兵士たちだ。ジョーイにとっては敵・味方の区別もない極限状態の中で、過酷な運命に立ち向かう人々との出会いと別れを繰り返しながら、ジョーイは彼らから希望を託され、やがて《奇跡の馬》と呼ばれる。

 この映画、泣けます。
 もともとは児童文学だったものをスティーブンスピルバーグが映画化しました。
 主人公は馬のジョーイです。人間たちは皆脇役でしかありません。ジョーイの視点で話が進んでいきます。途中、相棒の馬:トップゾーンが出てきます。ジョーイとトップゾーンの友情も注目してください。
 馬が演技をしているんですよ。衝撃的です。いったいどうやって撮影したのか気になるところです。まるで人間みたいに、表情もありました。感情を表していました。ただ者ではありません。
 トップゾーンが野砲を引っ張るために駆り出されたときジョーイが飛び出して身代わりになる場面があります。ここが馬の演技で最も驚いたところです。
 もしかしてCGですかね。
 映像は終始美しい情景が続きます。戦争映画なのに、美しいのです。血生臭い、肉や血が飛ぶということはありませんでした。ジョーイ自身も鉄条網に絡まって傷だらけになりますが、目を覆うほどではありません。そこはもう演技力で痛々しさを伝えていました。
 また、第一次世界大戦といえば戦時中兵器が格段に進歩した戦争でもありました。ジョーイがそれらの進歩していく兵器の脅威にさらされていくのです。機関銃、野砲、毒ガス、塹壕、鉄条網、戦車。この映画は兵器の歴史も描いていました。ジョーイそのものも兵器なのです。騎馬隊として剣を持つ兵士を乗せるのです。しかし、機関銃の前に為す術なく倒れていきます。騎馬の時代は終わり、戦車などの兵器が登場することとなるわけですね。(毒ガスについてはジョーイが接触したのではなく、アルバートが犠牲になりますが。)
 さて、ジョーイが最初に出会うアルバートという少年がいます。ジョーイは戦場に連れていかれてしまいます。アルバートと離れ離れになります。しかし、アルバートも戦地に出征してしまうのです。そして、前線でふたりは再び出会うのです。そのときアルバートは毒ガスで目をやられてしまい、何も見えない状態でした。ところが、そのあとアルバートの目がほぼ元通りになっています。このままアルバートは盲目になってしまうのかと思いきや。この点についてはあれ?と思いましたけど。
 第一次大戦を描いた映画は「西部戦線異状なし」か「アラビアのロレンス」くらいしか観たことがありませんけど、そもそも第一次大戦を描いた映画があまり無いように思います。ただ、「西部戦線異状なし」と通じる部分が多いかなと思いました。
 とにかく、馬の演技と、映像の美しさに惚れる映画ですよ。