この映画はちょっと困りましたなあ。感想が全然思い浮かばないんですよ。精神的にやられてしまって、思考が起こらないんです。アンチクライストに比べたらまだマシなんですが、もしかしてアンチクライストよりヤバかったのかもしれません。今を思えば、私は上映中かなり逃げていたような。
主人公のニナは主役の座をもらうことになりました。しかし、その重圧からいろいろとおかしくなります。自傷行為までやってしまうという。ただ、この自傷行為についてはどうやら以前からやっていたことのようですが。
ニナに対する脇役たちの目、監督の目、母親の目、皆が狂っているようで実はニナ独りだけが狂っていたようです。この映画は二ナの視点ですべてが進んでいったんですね。今、帰宅してこの感想を書いていると冷静になって、そういうのが分かった気がします。
彼女の体に起こる異変、周囲にもそれが見えているはずなのに、周囲は彼女の体の異変には気付いていないのです。ということはやはりニナだけがおかしいんですねえ。もう、痛かった〜。彼女の異変がたっぷりと画面からどんどんぶちまけられるんですよ。映像という形で。映画だから当然ですが。くらくらしました。観終わった後で頭痛がしました。彼女の演技もすごいのでしょうけど、彼女の内面の異変を映像化して、観ている私にぶつけてくるものですから、本当に頭を抱えました。目をそむけた回数はアンチクライストより多かったかもしれません。
この映画、つらいです。以上。