やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「八日目の蝉」を観てきた(ネタバレ)

 観に行く予定はまったくなかった作品です。でも、評判が良いらしいですね。というわけで、観ました。
 私はこの映画、良いとは思いません。港での別れの場面ではだいぶ泣きましたけど。劇場内はすすり泣く声がいっぱいでしたし。でも、やっぱり映画としてはどうなんだろ。
 永作博美が赤ちゃんに授乳させようとする場面、おっぱいがぽろりしないでやんの! 何でやねん! 赤ちゃんを服の中に隠すような形での授乳になりました。おかしいだろ! ブラックスワンではおっぱい全開だったぞ!
 それと、説明セリフが多すぎるんですよ。全部セリフで説明されてるんです。これって映画ですよ。映像作品なんですよ。にもかかわらずセリフで心情とかセリフで説明してしまうんですねえ。
 さらに、顔のドアップが多すぎるんです。「この赤ちゃんといっしょに生きていきたい」みたいなセリフがあるんですけど、どうしてそのセリフで顔しか映さないんですか。赤ちゃんも画面に入らないと、そのセリフの重みが伝わらないと思いますが。顔以外に撮るべきものがないってことですか。
 これらのことが気になってしかたなくて、映画にどっぷり浸かることができなかったです。顔のドアップはこれでもかって言うくらい多いですよ。何なの、これ。写真館の主人のドアップとか何の意味があったんですか。何かついてたんですか。ドアップやセリフじゃなくて、舞台を目いっぱい使った映像にしましょうよ。
 さて、永作博美が赤ちゃんを誘拐して逃避行を続けるのですが、前半の「エンジェルの家」の奇妙な空間では、観ている私は「ええと、何これ」って感じでした。でも、そういうのがあって、後半の小豆島に舞台が映ったときはようやく映画に入り込めるようになりました。みんな、すんげえ良い人たちばかりで、風景が本当に美しいんですよ。小豆島は行ったことあるんですけど、あんな段々畑とか切り立った山があるんですね。小豆島、また行きたくなりました。
 その小豆島で、誘拐した子供と誘拐犯である永作博美の関係ががっつり深まるんです。深まってはならないのに。だって、誘拐した子供ですから。しかも1日や2日誘拐したわけではなくて結果的に4年間連れさります。子供を失った本当の母親にしてみれば最も大切な時間を奪われたわけで、この母親にも多少問題があったとはいえ、あってはならない関係が小豆島で築かれてしまうんです。それがやりきれないです。応援したらだめなのに、永作博美を応援してしまいます。この親子が本物の親子だったらどれほど良かったことか。エンジェルの家がある大阪で関西弁を話すようになり、小豆島でも島の言葉が出るようになっていく変化も良かったです。ちなみに、別れの場面となった港は、私も自分の車で上陸したことのある場所でした、というどうでもいい情報です。
 永作博美がねえ、すんごくかわいいんですねえ。たまりませんねえ。41歳? あれで41? うっひゃあ。すごいですね。きれいというよりはかわいいです。あと、つらそうな表情をしたときの醸し出される悲壮感が半端ないです。
 小池栄子のことは、だいぶ昔のドラマか何かでカチンときて嫌いだったんですが、演技うまいです。見直しました。小池栄子が演じた女性の子供の頃と人物がだいぶ違っていて、何があったんでしょうね。どうしたのかな???
 良いところも申しましたが、どうしても説明セリフ過多と顔ドアップ過多で、気分が害されました。この映画のことは良いとは思いません。以上。