やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

東京と埼玉をがっつりと その2

 みるみるうちに地上が近づいてきました。羽田空港の周りは海ですから、汚い海面が足元に広がり、それはすぐに終わり、空港の芝が視界に走りこんできました。接地と同時に、エンジンの側面が開いて噴射を逆の方向へ行いました。ぐぐっと減速して、アナウンスです。『当機はただいま東京羽田空港に着陸いたしました。まだ腰のベルトははずすことなく、完全に停止するまでしばらくお待ちください』
 羽田空港は第1ターミナルビルと第2ターミナルビルがあり、日本航空は第1を使用しています。当機は第1の1番搭乗口へつけられました。1番ということは最も端です。羽田空港はたいへん大きく、端の1番搭乗口から出口へは遠くなりますよ。
 搭乗口からターミナルビルの中へ入ると、動く歩道を使って出口へ向かいます。これが遠いんだってば。出口まで5分くらいかかったような気がします。実際はそんなにかからないのでしょうけど。出口からバスのりばや電車のりばへ行くのも少し遠いです。今回は京浜急行電鉄のりばへ向かうので、地下へ降りていくことになります。エスカレーターや階段で改札口へ。徳島県民にとってはたいへん珍しい自動改札です。走っていく人がいまして、私もそれに釣られてちょっと急ぎました。私の場合は急ぐ理由がそんなにないのですがね。
 プラットホームに降りると同時に、成田空港行のエアポート快特が発車していきました。それとは反対側に停車中の横浜方面浦賀行各駅停車に乗りました。浦賀といえば、ペリー提督ですな。
 エアポート快特が発車した直後、わずか1分後に、私の乗った電車が発車しました。わずか1分間隔で発車するなんて、もうそれだけで私は大興奮していました。羽田空港から京浜急行本線の蒲田まで各駅に停車していきます。羽田空港で大勢の乗客が乗車してだいぶ混雑していましたが、次の駅に停まるたびに新たな乗客が大勢乗り込んできてますます混雑しました。痴漢に間違われるのが怖くて、両手で吊革をつかみました。
 さて、この電車は東京都心に向かう電車ではなく横浜へ行く電車です。だから、京急蒲田で乗り換えます。徳島なら列車の乗換にめちゃくちゃ時間がかかりますが、ここは東京です。電車はすぐにやってきます。しかも、帰宅ラッシュの時間帯です。土曜日とはいえ、プラットホームは大勢の客でえらいことになっています。
 乗り換えた電車は横浜方面からやってきて品川へ向かう快速特急です。京浜急行では最も速い電車で、蒲田から品川までノンストップです。使用されている車両もだいぶ新しいですなあ。面白かったのは、車掌のアナウンスでした。
『今日も京浜急行をご利用いただきありがとーございまーーす。この電車は快速特急でーーす。品川行きでーーす』
 なんという語尾伸ばし! こんなアナウンスが許されるのですか。
 それにしても、乗客がわんさか、車内はぎゅーぎゅーです。さて、品川で降りて、ここでJR線に乗り換えます。徳島で買った1枚のきっぷで京浜急行からJRへの乗換用改札口を通り、あの有名な山手線に乗ります。きっと、とんでもない混雑が待ち受けているに違いないと思い、気持ちを強く持ちました。
 山手線外回りに乗り、品川から3駅の目黒へ向かいました。目黒でちゃんと降りることができるようにドア近くに乗り、途中の駅でホームや車内奥へ押し出されたり押し込まれないように踏ん張っておりました。もちろん、乗り降りする客の邪魔にならないような努力はしましたけどね。
 目黒に来た理由は、夕飯をいただくためです。1ポンドステーキを食べるためです。事前に地図で店の場所を調べたのですが、だいぶ遠くて30分くらいは歩くことになると思われましたが、それ以上にしんどかったです。なぜなら、東京は坂が多い! 目黒駅を降りて環七通りを南へ歩いていくといきなり下り坂ですよ。ああ、これは食べたあともたいへんだな、と思いました。
 やたらとラーメン屋が多いです。それも、つけ麺屋が多いです。あと、徳島と違って、道を歩く人がとっても多いです。犬を連れた人が多いです。環七通りは、昔の雰囲気が強く残る商店街になっていまして、東京だからって、ビルばかりではないんだな、ちゃんと人が住んでいて生活してるんだな、と思うことができるのでした。環七通りから路地を覗いてみると住宅街が広がっていました。
 ちょっときつめの坂を上がったり下ったりしていると「目黒寄生虫館」を発見しました。以前、横浜の先輩からここで買ったという絵ハガキをいただいたことがあります。絵ハガキ寄生虫が最高にキモくて、オエッとなりましたが、「なるほど、こんなところにあったんだな」と偶然発見して、絵ハガキをもらったときとその先輩のことを思い出したのでした。
 さらに歩くと、目黒消防署があって、あまりに店が見つからないので、もしかして道を間違えたかなと思ったのですが、間違っていませんでした。かなり歩きました。
 ようやく到着、目黒のステーキ、リベラでございます。入店して、1ポンドステーキ(約450グラム)を注文しました。焼き方の選択は不可能です。レアしかありません。この店はプロレスラーが経営しているようで、看板にはごっついレスラーが、私もテレビか何かで見たことのあるレスラーが。ポスターも貼られていました。アメリカ西部という感じの店内で、客は私ひとりです。まだ、18時ですから。さて、ゆっくりと携帯電話のメールでも打って、出てくるのを待とうとしたら、ステーキが一瞬にして出てきました。
 腹が減っていたのでパクパク食べました。ナイフでざっくざく切って口に運んでごはんをかきこんで。肉がめちゃくちゃ柔らかい! 東京でもう1軒ステーキ屋を知っていて、そこにも劣らない柔らかさです。脂身は少なく、赤身の肉そのものの味がしっかりとしています。ソースはかかっていません。でも、香辛料が強くておいしいですよ。それに飽きてくるとテーブルにあるソースをかけてみて、また違う味を楽しむのです。
 日本の牛肉って、サシが入っていて、脂身の甘さを味わうことが多いと思います。高級霜降りの脂身なんて、最高に甘いです。でも、この赤身もすばらしいですよ。
 ネットで調べたときはリベラの1ポンドは2900円だったのですが、実際は3300円で、ちょっと痛かったです。あと、だいぶ褒めましたが、東京にもう1軒知っているというステーキ屋「ミスターデンジャー」のほうが、もっと良いです。なぜなら400グラム、ごはん、サラダ、スープ付で2000円だからです。肉もミスターデンジャーは最初から切り分けられて、赤身の味ももっと強いものですから。皆さんには、ミスターデンジャーをおすすめします。
 さて、食べ終わって、目黒駅へ戻ることにしました。駅から店まで環七通りの東側を歩きましたが、こんどは西側を歩きました。すると、東側とはまた違うのです。おしゃれな家具屋が多いのです。あと、雰囲気のよさそうな飲み屋も多くありました。目黒はちょっと楽しそうなところですね。
 たくさん歩いて疲れたし、寄り道せずに予約している南千住のホテルへ行くことにしました。目黒から南千住まではJRだと山手線と常磐線を乗りついでいくことになりますが、事前に調べたところ380円かかります。でも、地下鉄なら230円で済むのですよ。というわけで、地下鉄南北線目黒駅から地下鉄に乗ることにしました。
 さて、地下鉄目黒駅で、私は混乱しました。東京には都営地下鉄東京メトロというふたつの地下鉄会社があります。目黒駅には都営地下鉄三田線東京メトロ南北線が入っていて、そのふたつが同じホームに出入りしているのです。会社が違うのに、どういうこと??? 三田線南北線は目黒から白金高輪駅まで同じ線路と同じホームを使っているのです。それが理解できなくて、混乱しました。結局、白金高輪駅まで三田線に乗りました。この駅まで来ないと、南北線電車にはなかなか乗れないということに気づくのに少々時間がかかりました。あー、東京の地下鉄って難しいね。白金高輪から溜池山王駅まで南北線溜池山王駅から銀座線で浅草へ向かいました。銀座線に乗っていて思い出したのは、漫画稲中卓球部の地下鉄銀座線サーブです。
 南北線と銀座線に乗ったとき、盲人といっしょになりました。すると、他の乗客が盲人をじーぃと見つめているのです。なぜ見つめているのでしょうか。珍しいのでしょうか。それとも、助けたいのでしょうか。助けたいということは、その盲人が困ったことになるということでして、困ったことになってほしいとでも思って見つめているのでしょうか。私は、盲人を見ている人たちを見ていました。おまえら、見すぎだぞ。
 で、南北線ですが、びっくりするくらいガラガラで、余裕で座ることができました。東京都心にもこんな電車があるんですね。
 浅草駅に着いて、南千住まで歩くわけですが、たぶん30分くらいかかると思います。南千住まで電車に乗ればよかったのですが、銀座線で浅草駅まで行きたいという欲求に駆られたので、浅草駅まで乗ったのでした。将来、日本の鉄道全路線を乗り尽くすという野望もありますし。 
 で、浅草駅から南千住のホテルまで歩いたのですが、道を間違えたようで、南千住駅の1駅隣である三ノ輪へ行ってしまいました。それも、90分をかけて。もう、足ががくがくぶるぶるしていました。私は体の弱いデブなんですよ。90分の徒歩はきついです。
 途中、コンビニでシソ味のペプシを飲みましたが、意外とおいしいです。世間の評判は悪いですが、私はありかも。
 三ノ輪からさらに南千住まで歩いて、ようやく、ホテルに着いたのでした。遅くとも21時にはホテルに着くかと思いましたが、22時となってしまいました。
 このホテルは2500円で泊まることができます。めちゃくちゃ安いでしょ? その代わり、三畳間、風呂とトイレが共同です。冷暖房とテレビはありますが。ホテルの名前は楽陽です。南千住には3000円くらいで泊まることができるホテルがたくさんありますので、東京で宿泊するときはご利用くだされ。
 ホテルに着いて、すぐに風呂に入って、ひどく疲れた足をもみもみしてすぐにふとんを敷いて寝ました。しんどい。テレビ、東京MXテレビが映らないのはなぜ?

 つづく。