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ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「大怪獣のあとしまつ」鑑賞感想(ネタバレ)

ポスター画像

2022年2月公開

監督、脚本:三木聡

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あらすじ(ネタバレ):怪獣が出現する3年前、帯刀アラタ(山田涼介)は謎の光に包まれて消息を絶った。雨音ユキノ(土屋太鳳)と雨音正彦(濱田岳)の目の前で起きたことだった。2年後、アラタは帰ってきた。

 日本海から出現した大型怪獣は東京を破壊して、利根川河口から25キロ上流付近で突如空から降りてきた光に包まれて活動を停止した。その後、死亡が確認された。

 だが、怪獣の体を早く処理しなければ大量のガスが発生することがわかった。

 日本政府は怪獣の処理と復興について、省庁や大臣の間で押し付け合いが始まっていた。傷ひとつつけられなかった防衛軍ではなく、首相直属の特務隊が処理することになったのだが、その後の指揮は防衛軍に移ることもあり、二転三転したのだった。

 省庁間の駆け引きと怪獣がもたらす害悪の隠蔽などで怪獣の処理が進まず、利根川上流のダムを爆破して大量の水で海へ流す作戦も国土交通省の陰謀で失敗した。

 一度は却下された、怪獣内部から発生するガスを宇宙へ逃がす作戦が再び採用されることになったが、それも雨音正彦の個人的な感情で失敗しそうになった。そこで、アラタがひとりで怪獣を処理するために行動を起こした。怪獣の体に穴を空けていくアラタだったが、彼を巻き込んで雨音正彦がミサイルを発射する。

 崩壊していく怪獣の体から抜け出したアラタは謎の言葉を発して光の巨人となり怪獣を宇宙へ連れ去るのだった。こうして、日本は救われた。

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 三木聡監督はこれまでタモリ倶楽部ダウンタウンのごっつええ感じトリビアの泉などの番組作家をしていて、時効警察の脚本と演出を手掛け、映画は音量を上げろ!タコなに歌ってんのか全然わかんねえんだよなどの監督をしてきた方なんですね。

 事前に解説動画を観ていたので、少々助かりました。

 三木聡監督が多額の制作費を与えられて好き放題できた作品だったようです。それがわかっていれば、本作品は最後まで納得して鑑賞することができます。

 最後に怪獣を宇宙へ投げたという結末も、あくまで私利私欲と個人の愛憎によって怪獣の処理が進まない状態をすべてアラタひとりに押し付けたという意味ですから、鑑賞した皆さんが罵詈雑言の批判を浴びせるようなものではないことになります。

 事前に解説動画を観ていなければ、私もどうなっていたことか。映画館から帰る途中に怒りで事故を起こしていたかもしれません。

 誰も悪くないのです。三木聡監督が好きにできたのですから。批判するべき作品ではないということです。私も三木聡監督作品だということを知らずに、公開を楽しみにしていたので申し訳ないの一言です。

 ……とでも言うと思ったか。

 ゴミクソやろ、この映画。どうすんだ、こんな映画作りやがって。

 しかも続編をやるだと!? 正気か!? 制作会社も監督もスタッフも全部変えなさいよ。

 某氏から、絶賛も酷評も見たくないというご意見をいただきましたけれども、酷評させてください。とても看過できません。

 怪獣8号という怪獣を処理する漫画がありますが、連載の始まる数ヶ月前からこの映画の企画が始まっていたようです。結果的にそれがどうしたという感じですが、なぜ、どうして、こんなにおいしいネタをこんなチンカス映画にできてしまうのですか。逆に天才です。

 ドントルックアップみたいなよくできた風刺映画にもできただろうに、いや、本作もしっかり風刺はしてるんですけども、良いことを言おうとしても無理です。もうわかんないよ。時効警察も少しだけ見たことがありますけど演出が意味わからんかったです。

 去年2021年は食人雪男というオールタイムワースト映画を見てしまいましたけど、どちらがマシか、迷います。