前回のカガワ日記は、
・・・
ついにカガワでインターネット禁止法が施行されました。法律の内容は下記の通りです。
第1条:電気通信回線に接続可能な電子計算機及び携帯電話の使用を禁ずる。
第2条:第1条の電気通信回線は有線もしくは無線を問わない。
第3条:電子計算機を使用したゲームの操作を禁ずる。
第4条:第1条及び第3条に違反した者は、20年以下の懲役に処する。
第5条:電子計算機及び携帯電話を所有した者は、1年以下の懲役に処する。
第6条:電子計算機及び携帯電話を他人に譲渡した者は、20年以下の懲役に処する。
第7条:電子計算機及び携帯電話の所有と使用は、国家公務員及びインターネット規制庁が認めた者については禁止しない。
この条文はまだ少し続くのですが、もういいでしょう。
インターネットとゲームを禁止する暗黒の時代が始まります。
では、カガワ国内の状況を見てみましょう。マスコミが取材できないからといって情報が入ってこないわけではありません。施行された翌日、カガワの首都カマタマシティのカマタマ商店街では歩きながらスマホをいじっていた若者数名が逮捕されました。どうやらインターネット禁止法が厳しい内容だということを知らなかったようです。
「スマホでツイッタを見てたらなんかいきなりだった。前を見ていなかったのでよくわからない。え? スマホを触ったらだめなんですか。うそでしょ。そんなのおかしいよ」と若者は話しているそうです。この若者の話はこのあともまだ続いているようです。ただ、そのあたりは政府に対する罵詈雑言であり逮捕されたあとなので罵詈雑言の詳しい内容は不明です。
また、別の場所では、スマホをいじっていた人が警察に見つかったそうです。その人は法律の内容を知っていたのですがまさか本当に逮捕されるとまでは考えていなかったようです。車でも速度超過したら絶対捕まるのかといえばそうでもありませんし、ちょっと舐めていたようです。
この2件はカガワ政府が本気だということを示しています。
他の逮捕案件も見ていきましょう。
次の事件は、自宅でMARICARを遊んでいたら逮捕されたというものです。自宅でゲームをしていたら逮捕されたということですが、そんなの絶対おかしいよというわけです。なぜバレてしまったのか。留置所にいる容疑者のところまで行ってがんばって取材してくれた記者がありましてその記事があります。
逮捕されたのはショウゾウさんです。逮捕される2時間前に自宅に突然旧知のヤマモリさんがやってきたそうです。ふたりは昔にあったいざこざで仲違いしていて、ショウゾウさんはヤマモリさんが突然訪問してきたことにかなり驚きました。そしたら、仲直りしよう、昔のことはうどんの茹で汁といっしょに水に流そうといったそうです。人のいいショウゾウさんは少し疑いました。ヤマモリさんはさらにMARICARとゲーム機本体を取り出したのです。「これをおまえにあげる。でも、ちょっとだけいっしょにやろう」と言いました。ヤマモリさんの手にはビールもありまして呑みながらやろうということでした。ゲーム機本体をくれるなんてうれしすぎるのでショウゾウさんは舞い上がってしまい、いっしょに遊ぶことにしました。昔はよく遊んだゲームだそうで、懐かしさもありました。最近はスマホゲームばかりだったからなおさらです。
ショウゾウさんとヤマモリさんのプレイは白熱していたのですが、途中でヤマモリさんがトイレに立ったのです。するとその数分後警察官が乗り込んできてプレイしているところを押さえられたということでした。
ヤマモリさんにハメられましたね。
記者はヤマモリさんを探し出して自宅へ突撃取材したのだそうです。ピンポンを押すとヤマモリさんがスマホでゲームをしながら出てきたのことです。夢中になっていて思わずそのまま応対してしまったのでした。ちなみにヤマモリさんは何も知らないの一点張りでいっさい取材に応じなかったとのことでした。ちなみにこの記者のその後は不明でして、トクシマの方なんですけどトクシマ政府がカガワ政府に捜索を依頼しています。カガワの暗部に踏み込みすぎて出られなくなったのかもしれませんね。
それでは次の逮捕案件を見てみましょう。
カマタマシティの南公園で遊んでいた若い男性二人が逮捕されたというものです。カープランドのマスコミはカガワでの取材が自由にできますから安心です。そのカープランドの赤色新聞が法律施行された後のカガワ国内の様子を取材していました。その中で、赤色新聞はカガワの隣国であるモモタロウランド在住であり漫才芸人のテレンスさんとフィリップさんがカマタマシティにたまたま来ていることを突き止めたのです。その二人はオナラに火をつけるなどの下品な芸をよくやっていまして、モモタロウランドのみならず我らトクシマの子供たちにも人気のある芸人さんです。
赤色新聞がテレンスさんとフィリップさんに取材して、インターネット禁止法についてどう思うか聞いたのです。取材するために二人を呼び出した場所が南公園でした。そしたら「インターネットを禁止したカガワの議会から俺たちのオナラのにおいがすんぞ」と言ったようですね。めちゃくちゃ馬鹿にしたということですね。
ちなみに、この赤色新聞というのはカープランドはレッドだらけの国ですが現在の政府を批判している反政府系新聞なんですよね。カープランドの帝国主義に反対しています。この新聞社のバックには共産党がついているようです。
その赤色新聞がテレンスさんとフィリップさんに取材したのは間違いなくカガワ批判のためなのですよ。カープランド政府と急速に仲良くなったカガワ政府を叩きたいのです。インターネット禁止法も叩きたいのです。そしたらその政府批判を得意としていそうな芸人がカマタマシティにいるということがわかったので取材してみたら、赤色新聞的には最も欲しかったセリフを言ってくれたという感じなのでしょう。
取材中にテレンスさんとフィリップさんはだいぶ調子に乗ってしまったようで、スマホを取り出してゲームを始めました。そのゲームが何だったのかよくわかりませんが、チンポコモンGOだったらしいですね。二人のプレイは白熱しました。というのも南公園にチンポコモンがけっこう集まっていたようなんですよ。南公園を駆けまわりながら次々とチンポコモンを捕まえていたら、おまわりさんに見つかってしまったというわけです。
赤色新聞はテレンスさんとフィリップさんに逃げるように指示して、その場から逃走しました。ところがテレンスさんとフィリップさんは「警察がなんぼのもんだぎゃあ」と駆けつけた警察官にケツを向けたのです。そのケツは半ケツだったそうです。赤色新聞記者は南公園のその様子を少し離れた場所から見ていたわけです。
警察官の制止を振り切って南公園を走りまわる二人に対して、応援が呼ばれました。パトカーが何台か集まってきて、10人以上の警察官が南公園のテレンスさんとフィリップさんを追いはじめました。するとテレンスさんがまたケツを出してフィリップさんが火のついたライターをそのケツに近づけました。テレンスが「んんん」と踏ん張ったら炎が噴き出して警察官の一人が火に包まれたのです。そのとき別の警察官が「キニー!」と叫んだそうです。火のついた警察官はキニーという名前だったようですね。キニーの体についた火は消えません。南公園のすぐそばを塩を積んだトラックが走っていたのですが他の警察官が停止させてその大量の塩が消火のためにキニーの体にドサドサと投入されました。ようやく火は消えたのですがどう見ても死んでいるので他の警察官が「キニーが死んじゃった。この人でなし」と叫びました。
ちなみにさらに多くの警察官が応援に駆け付けてテレンスさんとフィリップさんは捕まりました。一部始終を赤色新聞記者が目撃して記事にしたというわけです。
この事件についてモモタロウランド政府は「二人の釈放を要求するっぺ」とカガワ政府に言ったのですがカガワ政府は逆に警察官を殺害した罪で処刑するとモモタロウランド政府に言い返しました。モモタロウランド政府は「それだったらモモタロウランドは二人を失っても経済的にヤバくなるわけでもないから構わんだっちゃ」と矛を収めました。
最もヤバいのは、スマホをいじっていたところを見つかった男性が警察官の制止を聞かずに走り続けて逃げたという案件です。この男性は警察官によって射殺されてしまいました。ただ走って逃げただけなのに。それで、禁止法の条文を確認すると、逮捕しようとした場合制止の指示を無視する場合は射殺しても構わないというものがありました。あまりにも怖くなったのでゆっくりと条文を閉じた私でした。
このようにですね、カガワ政府はゲームをしている者を絶対に許さないということがわかりましたね。
・・・
この記事はフィクションなんじょ。