やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」を観た感想


監督:マーティン・スコセッシ
脚本:テレンス・ウィンター
原作:ジョーダン・ベルフォート「ウォール街狂乱日記-「狼」と呼ばれた私のヤバすぎる人生」
音楽:ハワード・ショア
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 1980年代から90年代にかけてウォール街で荒稼ぎした実在の株式ブローカー:ジョーダン・ベルフォートの自伝を映画化。違法な手段で莫大な金を稼ぎ大勢の部下を持ったが逮捕されすべてを失う過程を描く。
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(胸をリズム良く叩きながら)ンンン、ンン、ンンン、ンン……
 某ラッパーが褒めるときによく使う言葉「最高にサイテー」を今回もこの映画に使わせていただきます。サイテーのクズ野郎を最高な形で描いた作品です。
 R18なのですが、どの部分がそうなのだろうと気になっていました。観てみると、最初から最後まですべてR18でした。
 とにかく金。金。金。稼いで稼いで稼いで、オンナとヤリまくり、食う、飲む、豪邸、クルーザー、ヘリ、あとはドラッグと違法薬物と禁止薬物。
 欲にまみれた男の物語でした。
 ドラッグでキめた描写は、もしかしたらトレイン・スポッティング以上の強烈なものだったかもしれません。これを観たら絶対に薬物なんかやりたくなくなります。
 ドラッグのせいでフラフラ状態の彼らが暴れている姿は笑いました。劇場のほかのお客さんも笑っていました。ところが、そのあとドラッグをキメすぎて調子に乗って死にかけます。その死にかける場面で笑いがすぐ止まりました。息をのみました。
 さて、レオ様演じるジョーダンが仲間と出会い、証券会社を大きくしていく様子は熱い群像劇にも見えますし、相棒ともいえるドニー(ジョナ・ヒル)とのやりとりはバディ物にも見えます。そんな彼らの朝礼も見物でした。
 ジョーダンは欲にまみれていますが、彼のもとに集まった仲間のことを大切にしています。仲間たちは皆はっきり言って頭悪いです。でも、そんな彼らのことをバカにしないし、ちゃんと大切に育てていくのです。でも、でも、騙されてはいけないです、彼らは皆悪徳ブローカーなのですから。それに、欲をかかない金魚鉢の彼をすぐクビにしました。同じ価値観で同じ悪徳ブローカーの仲間たちだけを大切にしているのです。
 そんなジョーダンが司法取引のために会社トップを退こうとした場面は少し泣いてしまいました。騙されました。
 すんげえ悪い奴らです。でも、憎めませんでした。ちょっと好きになりそうでした。
 とはいえ、最後は裏切り、そして、すべてを失い、ジョーダンの父親の言ったとおりになるのです。
 悪いことはしたらあかん。ドラッグもだめ。