やくもとうずしおをがっつりと

「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。

カガワ日記 (46)

第1話はこちら。

カガワ日記 (1) - やくもとうずしおをがっつりと

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 戦後の始まりです。

 自由トクシマ政府は普通のトクシマ政府となりました。KATO軍といっしょにカガワへ入りましてオーチ、ヒケタ、スワンシティを占領しました。一応占領ではなく、民主化などを目指した統治です。その他の地域はオオサカなど各国が分割統治します。

 連合国軍総司令部を結成していてトクシマも連合国として参加しています。総司令部はカガワうどんの解体、消費量低減を指示していましたがこればっかりは何ともなりませんでした。カガワ全域でうどん消費量低減政策反対暴動が発生しました。治安維持に投入された各国の兵士は口にうどんをねじ込まれたり、うどんを茹でる釜で兵士が茹でられたり、うどんを打つための麺棒で兵士がボコボコにされたり、兵士が粉々にされて小麦粉といっしょに混ぜて練ってコシのあるカガワうどんにされたり、それはそれは悲惨なことになりました。

 結果的にうどん消費量を減らす政策は無しになりました。カガワからうどんを奪うことなど不可能なのです。

 うどんの神様を祀るヤシマうどん神宮も連合国軍が破壊しようとしたのですが、周辺の住民がそれを阻止してしまいました。めちゃくちゃコシのあるうどんで連合国軍の車両が絡め取られて身動きできず、うどんを茹でた熱湯が車両にかけられました。連合国軍は死者を出しながら、うどん神宮から撤退しました。

 それならばとサーガリアやアキティアからカガワへ輸出される小麦を止めたのですが、カガワ国民は小麦の輸出国へ出向いて小麦を売ってもらえるように土下座したのです。うどんを打つように、輸出国の人々は心を打たれて小麦をカガワに売りました。

 やっぱりカガワからうどんを奪うことはできないのです。

 カガワの軍事力は解体されました。カガワの名も無い若い候補者で選挙をやって議会の議員も入れ替わりました。

 また、戦後の補償問題なんですが、カガワはお詫びのうどんを周辺各国に配りたいというのです。引っ越しそばみたいなもんは我が国としてはいらないのですけども、カガワにはもううどんしかないということでしょうか。

 トクシマ政府は補償のうどん案に反発していますが、これでまたあんまりゴネたらうどんを口に叩き込まれて黙らされるかもしれません。トクシマ政府は少し反発しつつカガワの出方を見るようです。

 その後、オオサカがトキオ政府に対してカガワを暴走させたのはトキオ政府の責任とちゃいますかと追及しました。カガワうどんが各国の飲食産業をうどんまみれにしたこととカガワがトキオの兵器で我々をめちゃくちゃにしたことはすべてトキオの差し金でした。トキオの国民はオオサカの追及を「おっしゃるとおりでございます」と考えはじめているようですし、戦後補償はトキオがしてくれるかもしれません。

 これについては次の日、カガワ政府が「オオサカの言うとおりだ。戦後補償はすべてトキオがすべきだ」と声明を発表しました。さすがにトキオ政府はこれに応じるわけもなく、カガワ政府のうどん補償で各国は承諾してほしいと発表しました。さらには、トキオ政府が「カガワうどんはそばと比べても十分な価値がある」と発言を続けたのです。これがいけませんでした。

 カガワ国民はこの声明に沸いてしまいました。トキオ大使館が襲われました。大使館職員とトキオの大使はめちゃくちゃコシの強いうどんで縛られてしまいました。その様子がテレビに流れています。

 カガワうどんをそばと比べるのは、キリスト教イスラム教の価値を比べるようなものです。

 カガワに進駐していたトキオ軍がこれを解決しようと行動しました。トキオ大使館を囲んだのですが、逆にトキオ軍が全滅しました。うどん職人がトキオ軍兵士をうどんを鞭にしてバッチンバッチン叩きまくりました。兵士はうどんで首を縛られて、木に吊るされました。

 こうなったのはすべてトキオのせいだ。

 カガワ国民は燃え上がってしまいました。これもすべてテレビに流れています。トキオ政府はこのような暴挙に屈しないと声明を出したのですが、それで収まるカガワではありません。

 カガワ国民がトキオ首都へ大挙して押し寄せたのです。省庁の施設を襲い、政府高官を次々とうどんでつるし上げていったのです。トキオタワーから100人の政府職員が吊るされました。

 カガワ国民はついでに新宿銀行とファミレスも襲撃しました。新宿銀行の金庫にある紙幣をすべてうどんを茹でる釜を沸かすための燃料にしました。それで茹でたうどんをファミレスの食糧庫や冷蔵庫に次々と詰めこんでいったのです。ファミレスはしばらくカガワうどんを客に提供せざるをえなくなりました。

 トキオ政府は機能不全に陥り、ついでに新宿銀行とファミレスも倒産目前となります。追い込まれたトキオ政府を、トキオ国民はトキオによる戦後補償やむ無しという風潮に包まれて政府責任を追及するまでに至りました。

 トキオ政府は戦後補償を決定して、トクシマ政府など各国にその決定を通知しました。

 トキオ政府の職員などは解放されました。

 言いにくいことを言ってくれたオオサカさんにはトクシマ国民として本当に感謝します。

 それにしても、カガワのゲーム禁止はなくなりましたし、戦争も終わりましたし、ひとまずはこれで安心です。

 ちなみに、一部でうどんの平和利用を定めた国際条約を採択する動きが出ています。平和利用とは要するには食べる以外の用途を禁止するというものです。そりゃそうですよね。こんな恐ろしいカガワうどんを一切の規制無しにするのは危険です。インターネット禁止法ではなくうどんを規制する法律を作るべきでしたね。

 数日後、カガワ政府は一応の戦後補償として詫びうどんを各国に配りました。なので、今カガワうどんを食べながらこの記事を書いています。このコシはなかなかのものです。ついでにカガワ政府は解体されて、すっかり忘れ去られていたうどん国へ各国が返還して統治することが決まりました。

 ヤエガキ人虐殺の件は、今後調査するということです。

 さて、僕たちは自分のところを復興していきます。その前に、ついさっきカガワ改めうどん国から詫びうどんが届いたのでそれを茹でて腹ごしらえします。

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次回、最終回です。5月31日19時公開です。