監督、脚本:マーティン・マクドナー
音楽:カーター・バーウェル
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あらすじ:ミシシッピ州の小さな町でミルドレッドの娘が強姦された挙句に殺害されて7ヶ月が過ぎた。ミルドレッドは道路沿いの看板が3枚に広告を出す。それは地元警察署長への挑発とも取れる内容であり、大勢の怒りを買った。町を敵に回したミルドレッドに味方する者も少ない中で看板をきっかけとした騒動が起こる。
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ミルドレッド役の主演がファーゴの人です。音楽もファーゴ他コーエン作品を担当してきた方で、まるでファーゴを見ている感覚でした。
こいつぁすげえ映画ですなあ。
娘を殺した犯人は見つかるのかどうかというよりもミシシッピ州のみならずアメリカ社会が抱える暗部をさらけ出してきます。
ミルドレッドのやり方がむちゃくちゃではありますが、ある意味彼らに対する荒療治でもありますね。娘を失った悲しみだけではなく彼女の抱える罪を償うゆえに暴走している感じです。
私は、人というのは変わらないものだと思っていました。しかし、これほどの強烈な行動を起こせば人は変わるものなのですね。ここまでやらないと変えられないとも言えます。
ミルドレッドの「ありがとう」に感動です。ミルドレッド自身も最後は変わりました。
果たして、看板は最後どのような状態にあったのでしょうか。それは想像するしかありません。ミルドレッドがアイダホまで行って、例のことをやったのか、やっていないのか、もしかしたらやっちゃったかもしれないと考えている私は全然ダメです。何もせずに帰ってきたんだと信じられないようではダメなのだと思います。
ちなみに有色人種という言い方も所詮は白人以外のものでしかないし、そんなこと言い出したら言葉狩りかなー。
とにかくすばらしい作品でした。