やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「パッセンジャー」鑑賞感想


2017年3月公開
監督:モルテン・ディルドゥム
脚本:ジョン・スパイツ
音楽:トーマス・ニューマン
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あらすじ:人口過剰となった地球を離れて新たな惑星へ向かう宇宙船は5000人の乗客と258人の乗組員を乗せていた。120年かかるため全員が冬眠状態に入っている。しかし、あと90年というところでエンジニアのジムが目覚めてしまった。さらに作家のオーロラもジムの1年後に起きてしまう。ふたりはやがて惹かれあうが。
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 本国では叩かれているという今作、たしかに叩きたいのはわかります。
 ジムとオーロラのベッドシーン、その後やたらとキスをする、正直うざいです。あと、宇宙船が5000人を連れていく理由がよくわかりません。理由が弱いと思います。
 その理由としては民間企業が運営する移住事業なんですね。地球がピンチというわけではありません。そうなると、まあ、いろいろあって宇宙船がピンチになっちゃって、その宇宙船をジムとオーロラが救うことになりますが、その救う理由のほうがむしろ弱くなるというわけです。どうしようもなくただふたりで老いるのを待つばかり、じゃあどうしようかなとなります。死ぬまで何もすることがないし何か残そうかなとなるわけですね。あー、そうなると、それほど弱くもないか……。
 ふたりの絡み合いがうっとうしい以外はそんなに悪くもないんじゃないかな……それほど叩くこともないんじゃないかなと思いますが、ご覧になった方々はどうでしょう。和風の映画って感じがしませんか。ふたりの行動原理がゆるーい感じです。あの感じが邦画の空気だと思います。もしかして日本ならウケるのではありませんか。あちらさんが叩く理由はそのあたりなのかもしれません。
 拡大していく人類の明るい未来ですよね、これ。そんな中でジムとオーロラの孤独な残りの人生というわけです。人類の未来と個人の人生の対比と捉えたらいいんじゃないかなと思います。みんな、死ぬまでに何か残そうぜってことです。
 そういうことにしておきましょう。
 さて、宇宙船ですが、宇宙を航行する場合小惑星との衝突という危険があります。それをどのようにして避けるのか、その答えを示しています。なかなかいいじゃないですか。
 それと、宇宙船で起きたトラブルですが、海を走る船でいえば主機が冷却できなくなって絶体絶命という状態ですね。船なんて主機さえ動けばなんとかなるものです。その主機がダメになってしまうともはや船は終わりです。漂流です。いまどきの船の主機は冷却のために多くは海水を使っています。その海水は常に海から取水しています。その海水がポンプの異常もしくは配管裂け、配管詰まりなどなどが考えられます。もうたいへんですね。とにかく今回起きたのは主機冷却ができなくなった状態でした。冷却のためジムとオーロラががんばります。船に限らず、車でも冷却は大切ですからね。
 そんな「パッセンジャー」、クリス・プラットはスターロードのイメージがこびりついてしまいましたが、どちらも宇宙で人類を救うってことで、対比のためにどうぞ皆さんもご覧ください。