2022年11月公開
監督、原作、脚本:新海誠
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あらすじ:宮崎県日南市、風光明媚な港町、叔母と暮らす高校生の岩戸鈴芽は通学途中で若いイケメンとすれ違う。廃墟の場所を尋ねられたのだった。男が気になった鈴芽は学校を抜け出して廃墟へ行ってしまう。そこには扉があった。その扉を開くと美しい世界が広がっていた。奇妙な形の岩があったのでそれを動かした。岩は猫に変化して、おぞましいものが扉からあふれるのだった。鈴芽は宗像草太と名乗る男とふたりで猫を追いかけながら日本各地の扉を閉める旅に出ることになる。
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めっちゃ好き。この映画、本当に好き。
こんな気持ちになったのは初めてかもしれません。122分のうち90分以上は泣いていたと思います。
なぜ好きなのか。本作はロードムービーでもありましたが、5年以内に行った場所ばかりでしたのでテンション爆上げです。日南、八幡浜、下灘、関川、土讃線吉野川橋梁、明石海峡大橋、神戸、新神戸駅、御茶ノ水、浪江……最後の織笠だけは付近をかすめただけですが、地元を鈴芽と宗像が通過したというのも嬉しさ百倍でございます。しょっちゅう通る道を鈴芽と宗像が通過したことがどれほどうれしいか。おふたりさんがヒッチハイクしてるなら喜んで東京でも東北でも乗せていきますよ。
震災がテーマだったというのも本作の情報を得ずに見たのでかなりの衝撃でした。日本を度々苦しめる震災を鈴芽と宗像が防いでくれるのはうれしすぎます。ありがとうございます。首都直下型地震と東日本大震災、それに阪神淡路大震災、首都直下型はとりあえず置いておくとして、過去の関東大震災も含めて大勢が泣いたわけですよね。でも、鈴芽は泣いている人々じゃなくて幸せそうな人々の記憶を見ながら震災の原因となる扉を閉じてくれるわけですよ。これが本当に好きだなと思います。
世界を救うことと宗像を救うことの両方をあきらめない鈴芽でした。クライマックスは普通だったら世界を救うお話になるところでしょうけど、そうではなくて宗像を救うお話になったのも好きです。
悪い奴が全然出てこないのも私としては最高です。
上映前にすずめの戸締まりの猫はかわいい説を唱えておきましたが、当たりでした。ヒトの立場から見てると気まぐれで困った子ですが、神ってやつはヒトなんかどうでもいい、眼中にないので思うままに行動しているだけです。それがたまたまヒトにとって厄災だったり願いの成就になったりしているだけです。神と猫は似てますね。
ミミズの描写は、白石晃士監督のコワすぎ!シリーズやオカルトの森へようこそなどのイメージに似ているような気がします。
鈴芽さんと宗像さんには感謝申し上げます。日本を救ってくれてありがとうございます。これからも震災は起きるでしょうが、被害が小さくなることを祈るばかりです。
神戸に九宮というところはあるのかどうか調べてみますと、一宮から八宮まででした。九宮はありません。ただ、あの九宮筋商店街は長田筋っぽいかなと思いますがいかがでしょう。関川とか織笠とか実在するのに、なぜ九宮だけは存在しない地名にしたのでしょうかね。
日南と八幡浜を結ぶフェリーは存在しないというのはすぐわかることですね。私は、予告の赤いファンネルだけで宇和島運輸フェリーだと判断したのですが、九四オレンジフェリーでしたね。ごめんなさい。私はいつも国道九四フェリーを使うので、宇和島運輸フェリーは一度も乗ったことがなくて九四オレンジフェリーも一度しか乗ったことがありません。九四オレンジフェリーはおれんじ四国とおれんじ九州の同型船2隻体制です。本作のみかん四国は外見も船名もおれんじ四国ですね。みかん四国という船名は笑ってしまいました。
本作の舞台に徳島県西部も含まれたので皆さん、ぜひいらっしゃいませ。
奇しくも本作が今年映画館で見た作品200本目となりました。