やくもとうずしおをがっつりと

「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。

映画「フューリー」感想(ややネタバレ)


2014年11月日本公開
監督、脚本:デヴィッド・エアー
音楽:スティーヴン・プライス
撮影:ローマン・ヴァシャノフ
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 第二次大戦末期、ベルリン陥落の3週間前のときを舞台としている。米軍のシャーマン戦車1両の5人の乗員がナチスを相手に戦う。フューリーは副操縦員が死んだために、徴兵されてきてわずか8か月のまったく何も知らない新人ノーマン(ローガン・ラーマン)が補充されてきた。そんな彼や戦車長(ブラッド・ピット)を中心に描かれる。
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「どこからだ!」
「3時に新型長砲身!」
「転身して後退! 後退! 早くしろよ!」
「うわあ!」
 ティーガーが出てきましたね。ちゃんとしたティーガーでしたね。すんげえ強いんだ、これが。ただ、シャーマン戦車は足が速いからティーガーがけっこう外すのです。あのあたりの戦車戦は良かったです。
 一番最初の場面でもパンター戦車や4号戦車がいませんでしたか。あのシルエットはそうなんじゃないかなと思いますが、どうでしょうか。
 ナチスが持っていた対戦車てき弾発射機なんですが、私は今までパンターシュレッケと呼んでいました。でも、パンターシュレッケはまた別物で、劇中に出てきたてき弾発射機はパンターファウストという名前なんですね。
 パンターファウストによっていきなりシャーマンが餌食になっていました。一気に戦車が燃え上がって乗員は焼死ですよ。壮絶です。
 しかも発射したほうは少年兵です。まったく、ひでえ戦いですわ。
 空を行く大量の爆撃機ドレスデンを空襲するのでしょうか。本当にひどいもんですわ。
 こんな感じで、今作はおそらくものすごくリアルなんだと思います。ただ、戦車の砲塔旋回が少し速いんじゃないかなと思いますし、次弾装てんも手際が良すぎる、早すぎると思いました。旋回と装てんの早さは本当にリアルにやってしまうとあまりにも時間がかかりすぎて作品に適さないかもしれませんから、仕方ないのでしょうかね。
 戦っている相手がナチスです。ファシスト共です。ただ、そのナチスに対するやり方がいくらなんでも残酷というか、これが実態だったのでしょうけど、悲惨です。
 いっさい何もできないノーマンに戦車長は投降しているSSを殺させました。嫌がるけど無理やりです。SSとはいえ投降しているんですよ、それをノーマンに撃たせたんですからね。
 これが戦争なんですね……。
 最後の最後に、ノーマンを見つけたのに見逃してくれたナチス兵がいます。ノーマンは無理やりやらされたとはいえ殺していますが、それに対してこのナチス兵は見逃してくれたのです。この対比がまたたまらんですな。
 戦闘の場面はリアルでかっこいいけど、作品そのものは戦争の悲惨さをしっかり描いています。
 さて、この映画は編集がおかしいと思います。カット割のおかしいところがところどころあります。走行中のフューリーの上に乗っている戦車長はカットが変わると姿勢が違っていましたし、それ以外も気になるカット割がいくつかありました。
 最後のフューリー対300人のナチス歩兵です。ナチス側は歩兵がパンターファウストを持ち歩いていたのにいざフューリーと遭遇すると、箱からパンターファウストを取りだしていました。さっき持って歩いていたのにどうしてかなと思います。
 あと、占領した町で、母娘の住居に上がりこむ戦車長とノーマンですが、母娘にやさしく接します。ところが途中から残りのフューリーの乗員3人も入ってきてしまいます。3人は態度が悪いわ、ひどいことをやりまくって戦車長がお怒りになります。
 この場面はどうってことのない場面です。2人と3人の関係が悪くなります。「やれやれ、しょうがない奴らだな」という感じよりももう少し悪い状態です。
 この場面がそのあとにどのように影響したかというと、それほど大きくは影響していませんよね。
 このように、編集と脚本がおかしいです。
 そもそも、戦車長の背中の傷は何なのか、なぜ戦車長はやたらとSSを殺したがるのか、謎なのですが、町山智浩さんが解説していますのでぜひ聴いてみてください。それを聴いてしまうと、この映画に対するイメージがガラリと変わってしまいます。
 とにかく、ティーガー戦車は必見です。ぜひ映画館でご覧ください。