やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「キカイダーREBOOT」感想

2014年日本
監督:下山天
脚本:下山健人
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 ロボット工学が発達した日本、原発事故などの現場へ高性能なロボットを投入しようとしていた。ただし、それは表向きで実際は近隣国との軍事衝突を念頭に置いた兵器として開発していた。
 そのことに気づいた光明寺博士は自殺にみせかけて殺される。その前に光明寺博士は娘ミツコと息子マサルを守るためにジローを完成させていた。
 ミツコとマサルが襲撃された現場へジローが登場する。
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 日本の特撮ヒーロー映画について、あまり期待していません。ただ、観ずにはいられないです。というわけでダメだとわかっていながら鑑賞してきました。
 アクションが良いのは当然ですが、それ以外の物語、演出についてはこんなもんかなといった感じです。悪くはないがあくまでそれは特撮ヒーロー映画なりの悪くないという程度です。ほかの映画とは比べられないです。
 特撮ヒーロー映画の永遠の課題ですが相変わらずアクションを繰り広げる現場が安っぽい、コンクリート破片が明らかに軽い、せっかくの良いアクションが台無しです。
 そのアクションにつながる場面として、ミツコがジローのもとへ行こうとしました。東京にいるミツコが遠い栃木で戦っているジローのもとまですぐに駆けつけるなんて無理です。しかもバイクで。何時間かかると思っているのですか。
 駅前ひろばみたいなところでミツコとマサルが逃げていますがそこに現れた追跡者がどう見ても某番組のハンターでした。しかも大勢ですからね。黒いスーツに黒いサングラス、これはひどい
 ミツコのキャラ設定も、現代の若者たちを否定して遠ざけるような発言をしつつ友達が大勢いました。それは意味わかんないです。よほど魅力的な女の子だということですね。
 本田博太郎演じるおっさんがジローを直すことができた理由もよくわかりません。
 ただ、あのおっさんの家?で走っている列車の数々、スカイライナーなどには目を奪われました。Nゲージでもないしプラレールでもありませんね、あれは何でしょうか。
 ジローの趣味がドリフとYMOということについて、これは映画のスタッフロールと共通すると思います。YMOはなんとなく名前だけは聞いたことがありますが、テクノを始めた有名なグループなんですね。そのドリフとYMOが好きで、エンディングではテレビ版「人造人間キカイダー」の主題歌が流れたということは、現代はダメであり昔はよかったということなんですよ。
 それは、この映画の存在そのものを否定していませんか。キカイダーを現代でやってみたらどうなるか、REBOOTしたらどうなるか、それがこの映画の作られた意味だと思ったら大間違いで、現代を否定するためにこの映画が作られたとしか思えません。
 この映画のエンディングで流れた当時のテレビ版の映像と主題歌は、当時子供だった今のおっさんを喜ばすだけです。
 たとえば、同じことをスパイダーマンバットマンがやっていますか? アメイジングスパイダーマンのエンディングで昔のスパイダーマンの映像は流れません。
 昔ではなく今の力でアメコミヒーローが復活していて、仮面ライダースーパー戦隊も新しい作品が生まれています。だけど、昔の特撮ヒーローを復活させた映画では昔の映像や主題歌を流して、当時子供現在大人の私たちを喜ばそうとしているんです。実際私もそれで喜んでしまうのですが、そうじゃない、それではいけないんですよ。新しく作るなら一切を新しく作るべきでしょう。
 邦画特撮ヒーローはそろそろ過去と決別しましょう。昔はよかった、現代はダメだ、そうじゃなくて懐かしいことをやっている場合ではなくて現代をもっと良くすることをやらないといけないのではありませんか。
 脚本を担当した方は特撮をいくつか担当していますが、銀魂でも脚本をやっていらっしゃるようで、しかも銀魂脚本担当の中で最も若いとか。それなのに現代を否定するようなREBOOTをやられたのは残念です。
 さて、
 マリを演じる女の子がすんげえかっこ良いです。高橋メアリージュンというハーフなんですね。アクションもすばらしいし、かわいいし、最高じゃないですか。
 というわけで、文句ばっかりぶー垂れましたが、続編がありそうな感じです。果たして続編はやれそうでしょうか。まだマリの変身を見ていませんからね。きれいに終わらせてほしかったけど、まあ、しかたないな!