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ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「LIFE!」を観た感想(ネタバレ)


2013年10月アメリカ公開、2014年3月日本公開
監督、製作、出演:ベン・スティラー
原作:ジェームズ・サーバー「虹をつかむ男」
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LIFE誌の写真ネガ管理係をしているウォルター・ミティはたびたび白昼夢を見る癖があった。社内には、シェリル・メルホフ(クリステン・ウィグ)という女性がいて片思いしていた。ある日、LIFEは買収され紙媒体ではなくWEB誌になることが発表される。製作に携わる大勢が解雇されようとしていた。一方、ミティは最後の表紙を飾る大切なネガを紛失してしまった。
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 原作があるし、1947年公開「虹を掴む男」リメイクなんですね。47年作との違いはおそらく後半のあらすじだと思います。
 さて、映画館の予告でこの映画を知ったのですが「LIFEってあの雑誌のLIFE?」と思いました。調べてみるとこれまでに何度か休刊しているようです。テレビ普及やネット普及による経営状態の悪化が原因のようです。現在はgoogle画像検索で写真を検索できるだけのようですね。
 そんなLIFEを作っていた男のお話です。知っている雑誌の表紙に係わっているミティの物語ですから、正直なところあまり映画に入りこめませんでした。だって、それだけで十分にすごい男だと思いましたから。
 しかも、ミティは途中から壮大な旅に出るのです。ネガを探すためにグリーンランドアイスランド、アフガンを巡るのです。
 アイスランドではものすごく長い下り坂をスケボーで下りてみせるし、アフガンでは世界の屋根ヒマラヤに登るのです。
 めちゃくちゃな内容の旅ですからもしかしてミティの夢なのかなと思いながら観ていました。
 スケボーがうまいわ、数千メートルの高地に登るわ、ミティさんはとてつもない男でした。というわけで白けました。
 ダメ男が少しずつ生まれ変わっていくお話なのかなと観る前は予想していましたが、ダメじゃない男は自分のことをダメだと思い込んでいただけで自分のすごさに気づいていくお話なのでした。
 内面が変わっていくお話ですね。
 あと、もうひとつ予想していたのはネガについてです。最初から存在しないんじゃないかと思っていました。写真家ショーン・オコンネルに出会ったミティはオコンネルから「アフガンのこんな高地まで来ることができたあんたはすごい。そういうことができるすごい男だということに気づいてほしかった」という場面が来るのを待っていました。
 そうじゃなくて、ネガは存在していて、発行された最終刊の表紙は仕事中のミティなんですよねえ。あれは、泣いた!
 冒険するミティじゃなくて、仕事中のミティこそがすばらしいんだよというエンディングでした。一番かっこよかったのは、会議中に乗りこんで見つけたネガを差し出す場面ですけどね。髭もじゃの男め、ざまあみろと思いました。
 ところでベン・スティラー監督脚本原案製作出演「ズーランダー」もおすすめです。この機会にどうぞ。