やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

2013年鑑賞映画感想/バーン・アフター・リーディング/電送人間/ベン・ハー

281.バーン・アフター・リーディング
 2008年アメリカ。
 監督、脚本、製作:イーサン・コーエンジョエル・コーエン
 アルコール依存症が原因で左遷されたCIA職員オズボーン・コックス(ジョン。マルコヴィッチ)は怒り心頭の勢いで退職した。内部の出来事を基にした暴露本の執筆を始めるが、そのデータの入ったCDがスポーツジム従業員のチャド(ブラッド・ピット)とリンダ・リツキ(フランシス・マクドーマンド)に渡った。2人はその内容をCIA機密情報と思い込みオズボーンから謝礼金を取ろうとしたが、短気なオズボーンのせいで交渉はたびたび失敗した。2人はCDをロシア大使館に持ち込む。オズボーン宅に侵入したチャドだったが、オズボーンの妻ケイティ(ティルダ・スウィントン)と不倫関係にある元財務省連邦保安官ハリー・ファラー(ジョージ・クルーニー)と遭遇してしまう。

 事態は複雑です。彼らのせいでCIAとロシア大使館が振り回されます。
 この映画の面白さは、同じコーエン兄弟作品の「ファーゴ」と似た感じがあるのですが、いかがでしょう。役柄はだいぶ違いますがフランシス・マクドーマンドも出ていますし、打開できそうになく悪化の一途をたどる感じが似ていると思います。
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282.電送人間
 1960年日本
 監督:福田純
 脚本:関沢新一
 特技監督円谷英二
 陸軍銃剣を使った殺人事件が起きた。何人かの前での事件だったにもかかわらず犯人の正体がまったくつかめなかった。事件を追う新聞記者桐岡(鶴田浩二)は現場にあった遺留品クライオトロンから物体電送を研究する仁木博士の関与を推察するが。

 劇中のキャバレー「大本営」に笑ってしまいました。実在するなら行ってみたいです。経営者は“三国人”ということで皮肉ですね。
 ゴジラといい透明人間といいどれもこれも戦時に事件の原因を置いています。それだけ戦争の傷が深かったということなのでしょう。電送装置はあくまで復讐のための道具でしかありませんでした。
 今作のSFを納得させるための手として「インドのヨガの秘法でもそれが行われていたという説がある」というセリフがありました。日本特撮で使われているトンデモ科学技術を納得させる言葉を探してみるのも面白いでしょう。
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283.ベン・ハー
 1959年アメリ
 監督:ウィリアム・ワイラー
 脚本:カール・タンバーグ、マクスウェル・アンダーソン、クリストファー・フライ、ゴア・ヴィダル、S・N・バーマン
 原作:ルー・ウォーレスの小説『ベン・ハー
 3度目の映画化。ローマ帝国支配時代のエルサレムユダヤ人貴族ジュダ・ベン・ハーの半生を描く。

 原作は1880年のものですがナチスのような敬礼をしているあたりは意識したのかな、と。原作小説があるということを知るまではてっきり歴史上の人物を描いた作品なのかなと考えていました。実在しない人物の物語なのですね。
 劇中の業病とはおそらくハンセン病です。当時から隔離されていたのですね。
 何といっても大競馬の場面は圧巻です。どうやって撮影したのでしょう。激しいだけでなく美しいではありませんか。スタート前に、出走馬すべてが一列に並んで回っていく場面で驚きました。コーナーをまるで訓練したかのように直線を保ったまま曲がっていくではありませんか。すばらしいの一言です。