観るクソ映画をサイコロを振って決め、このブログで感想を述べる、これがクソ映画だなんて何かの間違いだろ型企画第10回です。さて、前回サイコロで当たったクソ映画は『明日、君がいない』。原題は『2:37』。
2006年豪州。ムラーリ・K・タルリ監督脚本。カンヌ国際映画祭で高い評価を得ている。午後2時37分、豪州南部の高校で誰かが自殺する。その日の朝からその自殺に至るまでの高校にいる生徒たちを描く。
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罠だ! この映画は罠だぞ!
渡されたリストからサイコロを使って選んで当てた映画がまさかこんな映画だなんて。リストを出してきた本人に聞いたのですが、この映画は「迫力がなく、つまらない」のでクソ映画リストに入れたそうです。
たしかに、悪くない映画だとは思うのですが。演出が気に入りません。高校生を演じる彼らがインタビューに応じるというドキュメンタリーみたいな手法をやっています。でも、彼らは高校生を演じる役者であり、その役者たちがさも本当の高校生のふりをしてインタビューを受けるのはちょっとね。
それに、誰が自殺するのか犯人探しをするような物語も気に入りません。
ただ、書いている小説の中にセックスシーンがあることで先生に呼び出される場面はまさに『桐島、部活やめるってよ』ですね。このあたりは本当に感情移入するところです。
それでもやっぱり桐島のほうが上です。桐島のほうは、昔を思い出すというか、あったなあという感じなんですけど、『明日、君がいない』のほうは、若者にはこういう問題があるんだよねえという感じなんですよ。学生の日常を描くか、学生というよりも社会問題を描くか、その違いだと思います。
とにかく、なぜクソ映画リストに入れられたのかわからなくて恐る恐る観ていたのですが、少なくとも良作なので、おすすめです。(121)
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では、次回観るクソ映画を選びます。クソ映画リストは残り33本、選ぶ過程は省いて選ばれたのは『お姉チャンバラ THE MOVIE』です。うわ、この映画、いつものレンタル屋に置いてないじゃないですか、めんどくせえ。