- 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
- 発売日: 2012/03/21
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面白くなかったわけではなくて、一味何か足らない気もするけど面白かったです。
目覚めると知らない列車の中で、向かいの席の女性が親しげに話しかけてくる。でも彼女が何者なのか知らない。わけがわからずにトイレへ行くと鏡には見知らぬ男が映った。自分自身らしいが、顔がちがう。そして8分後、列車が爆発して、死んだのかと思いきやコクピットらしきところで目覚める。基地らしきところからは自分の本来の名前を呼ぶ通信が入っている。
こんな感じで始まった映画でして、私は最初のうちあまりの情報量の少なさにイライラしていました。でも、思いのほか情報は中盤までにすべてそろいましたよ。
ラストはどんでん返しがあるんですけど、まあそうなるんだろうなあというラストですし、納得のいくラストでもありました。
謎は三つありまして。
一つ目に、列車はなぜ爆発するのか。
二つ目に、爆発の原因は爆弾が車内に仕掛けられているためであるが、それを仕掛けたのは誰か。
三つ目に、主人公の正体は何か。
謎解きが主題となる映画でした。ただ、それほど入り組んだコナンみたいな謎解きでもなくどこにあるのかわからないものを探すだけというやさしい謎解きです。
爆弾を仕掛けた犯人は列車を爆破したあとシカゴの中心部を爆破して大勢殺すのが目的ということで、犯人を捜さなければなりません。主人公は繰り返される8分間で犯人を捜します。けっこうクライマックスへ行く前に発見してシカゴ爆破は防がれます。
むしろ、主人公の正体が問題なのです。ここが最も面白い部分でしょうね。主人公は自分でもわからないのです。いや、アフガンに行って死にかけたという記憶はあるのですが、それがなぜ今自分が爆弾魔を追うような状況になっているのかがさっぱりわからないわけです。
ネタバレですが、主人公はアフガンで重体となります。下半身を失い、脳だけが生きている状態でして、かの有名なネリス空軍基地でプログラムに利用されてしまうのです。世間では死んだことになっていますが。そのプログラムとは、死んだ他人の残した記憶に入りこむというもので、今回は列車爆破によって死んだ乗客の記憶に入りこまされてしまうというわけです。
ラストでは、主人公は列車の爆破を防ぐことに成功した上に時空を改変することにも成功するわけですね。
この作品の監督は、ダンカン・ジョーンズという方で、最近のSF映画では注目を集めた「月に囚われた男」で初監督をしました。初監督作品の主人公もその正体がとんでもないものだったりするわけで、こういうやり方がうまいのでしょうねえ。
8ミニッツの主人公はわずか8分間で、向かいの席の女性との恋路をなんとかしなければならないし、犯人を見つけなければいけない、さらには自分の正体も明らかにしないといけないので大忙しです。追うものが多いから見てる私はイライラしました。
8分間は同じものが繰り返されますが、毎回主人公は最初の1分くらいを無駄にしていると思うのですよ。どの8分間でも、向かいの女性の同じセリフを聞いて通路の客からコーヒーをかけられて車掌に切符を見せるのです。そんなことよりもまずすぐ行動しようぜと思うのですが。
それさえなんとかしてくれたらなあ。
なんだろう、一味足りないと思ったのですが、やはりそのへんなのでしょうかねえ。