やくもとうずしおをがっつりと

「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。

カガワ日記 (26)

前回のカガワ日記は、

カガワ日記 (25) - やくもとうずしおをがっつりと

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 列車爆破事件がありました。

 山陰大学交通政策学部の道須柄教授が講義に来るというので行ってきました。だって、我々公共交通大好きマンたちにとって道須柄先生は神様ですからね。そんな神様が我が国に来て講義をやってくださるというのですから行かないわけには参りません。

 道須柄先生はヒダミノスト共和国の公共交通を救いました。

 ヒダミノストは悪化する財政の健全化を目指して国営のものを民営化したりいろいろやっていました。国民も財政赤字を解消するために民営化はやむをえないという考えに支配されて、国鉄の民営化にも賛成しました。どの国も公共交通機関は赤字です。それで、どの国でも赤字ならやめてしまえばいいという考えが横行しています。赤字なのか黒字なのかは公共交通を維持する上で大切な指標になっていますね。

 踏切で列車が通過するときその列車に乗っている乗客が少ない、列車がワンマンの1両であることを皆さんはバカにするじゃないですか。少なくともトクシマの田舎では通過する列車がバカにされていますし、駅の列車交換のとき踏切でやむをえず停車することがありまして長時間踏切が閉まりますけどその列車に向かって罵声を浴びせるトクシマの皆さんがいらっしゃいます。これは鉄道だけではなくてバスも含めて公共交通すべてに向けられた冷たい言葉です。

 公共交通は不要だという意見が多くの国で横行しています。税金で支えるべきものではないし、民間企業が運営している公共交通は高いサービスで維持されるべきものであるというものです。民営化されたのに鉄路を維持しろと沿線から要求されます。

 公共交通は冬の時代を迎えました。ヒダミノストの公共交通も民営化されて、公的資金の投入はなされず、それで交通機関がつぶれるなら自己責任だというのが国民でした。

 でも、道須柄先生はそうじゃないと否定したのです。ヒダミノストの鉄道会社に招かれて経営の手助けを始めた先生は国民の意識を変える手段に出ました。公共交通に冷たい国民の意識を変えて、公共交通は収支の赤字黒字とは関係なく維持されなければならない社会資本のひとつだと訴えたわけです。これでヒダミノストの公共交通は民間企業と行政の上下分離方式で維持されるようになりまして、一見無駄で不要なものだった交通機関が維持されるようになったのです。すばらしい功績のある先生ですが、自動車業界から敵視されて山陰大学公共交通学部へ飛ばされました。

 敵を作った偉大な先生の講義です。公共交通は維持されるべきものなのだという先生の講義は胸が熱くなりました。先生の本にサインをねだったのですが、たいへん恐縮されたご様子で断られてしまいました。

 本題はこのあとです。

 先生はカガワの鉄道を利用して山陰大学へ戻っていったのですが、その乗っていた列車が爆破されてしまったのです。なぜ爆破されたのか、調査中です。

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この記事はフィクションちや。