2023年5月日本公開
監督、脚本:トッド・フィールド
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あらすじ:エミー賞、グラミー賞、オスカー、トニー賞を受賞している天才指揮者であり女性として初めて主席指揮者に任命されているリディア・ターはマエストロと呼ばれるほど絶対的立場にあった。今はオーケストラの録音や執筆した書籍、新曲作曲などに忙殺されていた。そんな彼女のもとにとある女性の訃報が入り、そこから彼女の立場が危うくなっていく。
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本作のほうがアカデミー賞作品賞と主演女優賞に向いているような気がします。それくらい圧倒されました。
なんかすごい。そういう感想です。それはケイト・ブランシェットの力なのか、作品全体の力なのか、わかりません。
ターは耳がめちゃくちゃ良い人間です。冷蔵庫のモーター音ですら気になってしまうほどであり、本人は作中でポルシェタルカンという車に乗っていまして、ポルシェでありながらメーカー初の電動車なんですね。ガソリンエンジンの車なんてうるさくて乗っていられないというわけですね。私の場合は、本作上映中に2席をはさんで隣に座っているおじさんがビニル袋をクシャクシャさせながら何か食べていたり水筒をカチャカチャさせながら飲んでいたのが不快でした。身の回りの音は気になりますよね。
ただ、よくわからない部分がいくつかあります。そのためにいろいろ検索しています。他の方の批評を読むことにもなるのですが、大学でターが講義している場面の捉え方がAさんとBさんで真逆になっているということもありました。本作は批評家によって見方が大きく異なる作品でもあるわけですね。
それでもやはり衝撃的ラストの意味が検索しても出てきません。若い方ならよくわかるらしいのですが。
この映画はキャンセルカルチャーを描いた作品なのか、そうではないのか、見た私次第なのか、それとも……難解です。難しい作品ですが、圧倒されます。