2021年8月公開
監督:濱口竜介
原作:村上春樹
脚本:濱口竜介、大江崇允
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あらすじ:舞台演出家で俳優の家福悠介は妻の音と幸せに暮らしていた。しかし、音は秘密を残したまま突然亡くなった。2年後、亡くした傷も癒えぬまま、広島の演劇祭で演出を担当することになった家福は愛車のサーブで向かった。専属ドライバーのみさきと過ごす日々が始まり、悠介はあることに気づかされていく。
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原作未読です。
すごい映画来ちゃいましたよ。ぜひご覧ください。
179分、一七九分、百七十九分という長い上映時間ですが、125分くらいに感じられます。
みさきの運転のうまさがわかる場面は、秀逸だと思いませんか。これこそ映画でしょう。セリフがありませんでした。
高槻という男をどのように解釈すればいいのでしょうか。まるですべてを悟ったかのように説教している場面は、なんだこいつとなりますがだんだん引き込まれていき、そのあと突き落とされました。盗撮していた男も反省してほしいと思います。
それはそうと、タイトルが出る場面はなかなかの瞬間です。ここで!? ってなります。タイトルが出るまでの場面は、その後ようやく意味がわかるのでした。
作中で家福が広島で寝泊まりした場所はとびしま海道のどこかですね。行ったことがあるので、「ここ、行ったことあるよー!」ってなりました。大きな橋は安芸灘大橋ではなくおそらく豊島大橋だと思います。いいところですので、ぜひ皆さんも行ってみてください。
ウインカーを出さずに車線変更していましたね。
広島高速も絵になりますなあ。
みさきが案内したごみ焼却場の吹き抜けはなかなかすごいところですね。広島の新名所になりそうな予感です。
ひとつ気になるのは、道民は電車とは言わないはずです。北海道の小樽~手稲、岩見沢~旭川、千歳~室蘭では実際に「気車に乗る」と聞きました。札幌市民であれば地下鉄もあるので電車と言うかもしれません。
原作では、みさきの故郷が中頓別とされているそうですが、本作では上十二滝村でした。いや、でも。最寄り駅から札幌まで列車で通っていると言っていたので中頓別はありえないでしょう。中頓別の最寄り駅から札幌まで特急で3時間10分かかります。
広島から上十二滝まで48時間以内に車で往復せい! って言われたら無理ですな。余裕がないどころか無理な所要時間を提示してくるグーグルマップルート検索ですら片道29時間ですよ。これがもし倶知安だったとしても片道24時間です。しかも、作中では親不知でなぜか国道8号を通過していましたね。それだけではなく、親不知に至るまでに山越えの一般道や平野の一般道も通過しています。あれはなぜなのでしょうかね。
最後の最後、スーパーマーケットの駐車場は同じSUVがたくさん停まっていました。
はい、というわけで、ぜひ映画館でご覧いただきたい作品です。
書き忘れたので、補足します。みんなでごはんを食べる場面と、バーで飲んでる場面の対比が秀逸です。