やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「孤狼の血 LEVEL2」鑑賞感想

ポスター画像

2021年8月公開

監督:白石和彌

原作:柚月裕子

脚本:池上純哉

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あらすじ:ガミさんが亡うなって、一ノ瀬が五十子の親分を殺してしもうてから3年後の平成3年、呉原東署の日岡いう若い刑事が尾谷組の後ろ盾みたいなことしくさっとるんじゃが、あれ以来抗争はいっさい起きんようになっとったんよ。そんなとき五十子の腹心上林が出所してきたんよ。ほいたら、その上林いうんが文字通りの狂犬でのう。徳島刑務所で世話になった刑務官の娘を殺すわ、広島仁正会の理事長を殺すわ、ぶちえらいことになってしもうた。上林はいっさい証拠を残しとらんけえ、逮捕できやせんわい。日岡と上林の対決になりそうなんじゃが、もしかしたらそれどころじゃないかもしれんのう。どうなってしまうんかのう。

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 続編となる今作は、映画のオリジナルストーリーじゃけえのう。前作の映画は小説三部作一作目をもとにしとるがのう。

 まあ、なんじゃ言うて、今作は上林劇場とでも言うたほうがええんかのう。上林を演じちょる鈴木亮平の単独ライブみたいなもんじゃのう。この上林が139分間ずーっと暴れちょる。手がつけられんわい。

 日岡は見た目がぶち恐ろしい不良刑事になってしもうたが、ちいぃと困った場面になるとすぐにその若さが露呈しくさる。「ガミさんは日岡さんに重すぎるもんを預けてしもうた」いうようなことを言われとったが、日岡はまだ若すぎたのう。

 その日岡も罪作りな男でのう。好いとる女がおりさって、クラブのママをしとられるんじゃが、その弟をSに仕立て上げて、Sいうんはスパイのことじゃが、一ノ瀬の組に放り込んで内情を探らせたりしとったんよ。ガミさんはそんなことしとられんかったが、日岡がそういう若いもんを使いよるんは何ともやれんわい。

 若いもんが真っ先に命を落とすんよ。そういうところは仁義なき戦いじゃのう。

 仁義なき戦いいうたらのう、孤狼の血LEVEL2は県警対組織暴力みたいなもんかのう。日岡は作中で1回刺されて、もう1回撃たれて、さらにもう1回ボコボコにされとるが、それでも死んだりせんけえ、太陽を盗んだ男の山下刑事を思い出すのう。

 仁義なき戦いは焦土からの復興じゃが、本作は90年代の広島の成長じゃのう。新交通建設、広島高速建設、工事中にいたぁしい大事故もあったが、そういうもんが本作の背景にあるんかのう。

 それにしても、本作の最後の最後、山の中で日岡が見つけたアレはいったい……どうしてこんな最後にしたんかのう。人間様が絶滅させた”狼”はまだおるんでぇいうことを言いたいんかのう。

 ほいでじゃ、公明党のポスターがぶち映りこんどったが、ええんですかのう。

 悪いヤツばっかりじゃ。すっきりせんわい。

 あと、もうひとつ言うておきたいんは、五十子親分の名台詞を上林の子分が言うとったんじゃが、「びっくりどっきりくりまんじゅう」だったんよ。ズコーッってなったわい。クリトリスと違うんかい。今作も名台詞が多いけえのう、真似したくなるのう。