あらすじ:ムジンという霧の多い港町が舞台。そこにある聴覚障害児童生徒の学校に赴任した美術教師のイノ(コン・ユ)は、寮の指導教員が女子生徒に体罰を加えている現場を目撃する。やがて、その女子生徒が校長を含む複数の教員から性的虐待を受けていることをイノは知る。性的暴行を受けている児童生徒はその女子生徒だけではなかった。その事実を人権センターのユジン(チョン・ユミ)に協力を仰いで告発し、子どもたちとともに法廷に立つ決意を固める。
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観ていると怒りを爆発させざるをえない内容でした。
校長や指導教員がとにかく悪いのです。クズの絶頂です。しかも、憎たらしい顔をしています。配役がすごいということですけどね。
聴覚障害をいいことに、校長は女子を、パクという教員は男子を、めちゃくちゃにしてしまうのです。
校長が、逃げた女子を女子トイレにまで追いかけて性的なことをする場面はもはやホラーでした。
話の運びは、けっこう最初のほうから告発が始まります。物語は、裁判の行方を追っていく内容になっています。
物的証拠がないものですから、なかなかうまくいかない裁判ですし。児童たちの味方とも思えた検事としっかり中立の立場を守ったように思えた判事が最後の最後に裏切ってくれますし。
悪事を働いた畜生どもに罰を与えることができないまま映画は終わってしまいます。判決はまさかの執行猶予。
ムカムカしたまま映画は終わるのです。
憎たらしい映画ですよ。
さて、この事件は韓国で実際に起きたものです。2005年だそうです。この映画はその事件を世間に知らしめるために作られたものでして、公開によって国が動きました。通称トガニ法が施行されたようです。
やれやれ。
やや脚色が過ぎるかなと思うのですが、それも事件を知らしめるために映画を絶対にヒットさせなければならない義務があったということで、まあいいとしましょう。
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それにしても、自分がいざこのような悪事を知ってしまったとき、勇気ある行動を取るかどうかですよ。そこは考えさせられます。
校長たちは町の権力者でもありますし。また、校長は敬虔なクリスチャンとして町に貢献しています。そのため、校長たちを守ろうとする動きも劇中で描かれています。そういう信じている人たちは悪くないにせよ、悪事に加担している仲間だと見えてしまうのも、悲しい一面です。
このような事件が二度とないことを祈ります。