やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「アニマルキングダム」を観てきた感想(ネタバレ)


あらすじ:オーストラリア南部の大都市、メルボルン。17歳の高校生ジョシュア(通称ジェイ)は母ジュリアと2人で静かに暮らしていたが、ある日突然、ジュリアがヘロインの過剰摂取で死亡してしまう。どうしていいのか途方に暮れた彼は、ジュリアが長い間付き合いを避けていた祖母ジャニーンに電話をかける。ジャニーンはすぐにジョシュアのもとに駆け付けると、すべてを処理して彼を引き取り、自分の家に連れ帰るのだった。ジャニーン・コディ(通称スマーフ)にはジュリアの他に、アンドリュー、クレイグ、ダレンという3人の息子がいた。彼らは皆家族思いで、一見、明るく温厚な人物に見えた。だが、その全員が銀行強盗や麻薬の密売など、あらゆる凶悪犯罪に手を染め、その収入で生計を立てており、凶暴な一面を隠し持っていた。 昔からの強盗仲間で家族ぐるみの付き合いをしているバリー(通称バズ)も一家にとっての重要人物で、冷静で頭脳明晰な彼が多くの犯罪を計画していた。やがて、ジョシュアはそこでの生活に馴染み、高校のガールフレンド、ニコールを家に連れてくるまでになった。当初、コディ家がジョシュアを直接犯罪に巻き込むことはなかったが、彼が犯罪にまったく無関係でい続けることは不可能だった。一方、横行する凶悪犯罪に業を煮やした警察は、凄腕の巡査部長ネイサン・レッキー率いる強盗特捜班を組織すると、“ポープ(教皇)”と呼ばれ、一家で最も凶暴なアンドリューに目を付け、彼の逮捕のために執拗な捜査を開始する。レッキーは、ジョシュアを犯罪者一家から救い出し、彼を取り込んで、その証言を基にアンドリューたちを一網打尽にしようと画策するが、ジョシュアは口を割らない。だが、一家はジョシュアが彼らを裏切って警察に寝返るのではないかと疑いはじめ、強力な圧力で口止めをするのだった。一体誰を、信じればいいのか。頼る者のいない孤独の中で、逃げ場を失ったジョシュアは今、自分自身が生き残るために、強くならなければならなかった。

 作品は、実話を基にしているとのことです。
 要するに、犯罪一家に放り込まれたかわいそうなお子さんのお話です。
 物語は、この犯罪一家がもう既に犯罪犯しまくりでそこからの転落を描いています。落ちる一方の状況を描いています。そのため、この犯罪一家がどのくらい悪いのかいまいちわからないというのが残念です。警察の特捜班が常に一家を監視しているのですが、監視しなければならないほどの一家なのかなという疑問が沸くかもしれません。
 ただ、アンドリューはめちゃくちゃ悪いです。さすがはポープです。
 特捜班の捜査もめちゃくちゃで、犯罪一家の一人を白昼にいきなり銃殺します。それに対して、アンドリューが報復するのです。警察官2人を射殺するのです。さらに、犯罪一家のことをしゃべってしまいそうなジョシュアの彼女さんを殺害してしまいます。
 アンドリューがどれほど悪いのか、その点だけはよくわかります。アンドリュー以外の男たちがどのくらい悪いのか、それはあまりわかりません。
 最後は強烈な終わり方をするのですが、終わり方以外はこれと言って何もないような感じです。何か残念な映画でした。
 どんな終わり方をするのかというと、ジョシュアがアンドリューに報復するのです。やっぱり彼女を殺された怒りがあったのですね。
 ジョシュアは周りからよく「ジュースはどう?」とすすめられます。それを断り続けるのですが、最後のほうで自らジュースを要求する場面があって、これは何かあるな、と思いきやアンドリューに報復ですからね。成長ではないけど、ジョシュアの衝撃的な変化には注目すべきでしょう。
 緊張感が終始あるので、長く感じることはありません。ただ、何か足りないのです。落ちていくだけの内容なので、何か上がる場面がありません。犯罪一家がどんな犯罪をやらかしてきたのか、10分くらいダイジェストでやってくれていたら残念ではなかったと思いますが。
 でも、メルボルンが舞台というのは新しいかもしれません。最近のハリウッド映画は実はオーストラリアで製作されていたりしますけど、舞台そのものがオーストラリアというのは珍しいでしょう。