やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

奈良南部をがっつりと

 5月15日、母が「奈良の長谷寺へ連れていけ」というので、そうだ、奈良へ行こうという感じでちょこっと連れていきました。長谷寺なんて全然聞いたことのない寺です。奈良といえば法隆寺唐招提寺東大寺などですよね。長谷寺についてググッてみたらなんとwikiに情報がありました。場所もわかったし、どこに注目すべきかも把握したので行くとしましょう。時間が余れば室生寺と、先輩に聞いたおすすめのラーメンもついでにやっちゃいましょう。ちなみにこの先輩は奈良ではなく愛知在住です。
 家族とどこかへ行くのは苦手で、運転にすこぶる疲れます。ああ、奈良へは車で出掛けました。私の運転に父と母は「車線変更しろ」だの「この車を追い越せ」だの「速度落とせ」だの「さっきのところもう一回」だの、うるさいったらありゃしないんです。頼むから黙ってろということで、ものすごく疲れます。でも、今回はそういうことが2度しかなくて、あまり疲れませんでした。
 徳島から大鳴門橋を渡り、明石海峡大橋を渡り、阪神高速で大阪を抜けて南阪奈道路で奈良南部の桜井市へ入りました。すると両親がね、「奈良へ行くときは西名阪じゃなきゃだめだろ」って。南部の桜井市へ行くときは南阪奈道路でも大丈夫だっつうの。地理がわかんない人は黙ってろ! だいたい、道路好きの私はまだ走ったことのない南阪奈道路を走ってみたかったというのみありますし、目的の長谷寺があるのは桜井市だったので南阪奈道路を通るには良い機会でした。この件にかんしては帰りになっても「やっぱり奈良へは西名阪のほうが速いと思う」ってグチグチと言うし、もう、マジで勘弁っすわ。
 さて、とにかく、なんだかんだで桜井市の山奥にある長谷寺に着きました。地図で見ると、長谷寺は奈良の有名な寺社仏閣などから離れているので閑散としているのだろうな、と思いきや全然そんなことはなかったです。駐車場はいっぱいだし、近鉄長谷寺駅が近くて、かなりの観光客がいました。長谷寺など、今回の旅の画像はすべて文章の下にまとめてありますので、お粗末なものではございますが、お暇であればどうぞご覧ください。長谷寺(画像は1枚目から)は本堂などが国宝に指定されています。私は寺社仏閣に興味はありませんが、国宝とか世界遺産と聞くと興味を示します。本堂などが国宝のようで、しかも銅板法華説相図という1300年前に銅板でつくられたものがあるそうです。これは観ましたが、よくわかんないけど興味を持ちました。撮影禁止だったので画像はありません。あとは、本堂の中の巨大な観音や巨大な掛け軸です。曼荼羅の描かれた掛け軸は長さ16メートルで、何やら宇宙の真理でも捉えることができるかもしれないと思い数分ほど見つめてしまいました。掛け軸も観音も撮影禁止です。
 掛け軸の傍で、客ひとりひとりにミサンガが配られていたそうで、両親はもらっていたのですが、私はもらっていません。べ、別にミサンガなんてほしくねえし。そんなこんなで新緑に包まれた寺を散策しました。私ね、こう見えてもね、新緑は好きなんですよ。日光に照らされてやさしく輝く薄緑がなんともいえず和みます。
 長谷寺をぶらぶらしていて、気になったのはやけに若いねえちゃんが多いことでした。20歳前後の女性の4、5人ほどのグループがわんさわんさと、キャッキャと楽しそうに拝観していました。戦国〜安土桃山好きの歴女が話題となりましたが、最近は長谷寺のようなあまり有名ではない寺にも若い女性が押し寄せるようになったのでしょうか。
 長谷寺で、私は大切なものを失いました。外出中は音楽をLISMOケータイで聴いているのですが、イヤホンとケータイを接続する小さなコードをなくしてしまいました。ああ、なんてこった。これからは外出中は音楽無しだわ。
 長谷寺を出て、20分ほど車で移動して桜井市よりさらに山の中に入った宇陀市室生寺に向かいました。ここもこの季節はしゃくなげが有名らしくて、母はそれが見たくて私に「そうだ、奈良へ行こう」と言いだしたのです。ここには国宝の五重塔があるそうです。室生寺へ続く小さな橋(画像13枚目)を渡ると本堂の入り口が見えてきました。本堂じゃなくて本坊かもしれませんが、その入り口の前にはなぜか虚無僧(画像14枚目)がいて、尺八を吹いていました。虚無僧から視線をはずしてよく見ると、石柱に「女人高野」の文字があります。高野ということは、室生寺真言宗です。真言宗の総本山ともいうべき高野さんは女人禁制だったのですが、この室生寺は女人参拝が許されていたそうで女人高野と呼ばれているそうです。室生寺の門(画像15枚目)の入り口で仁王像の乳首(画像16枚目)を発見してニヤニヤしてしまいました。乳首もしっかりと彫られています。門をくぐって少し階段を上がると国宝五重塔を発見。1200年前に建てられたらしいのですが意外ときれいでがっかりでした。1998年の台風で壊れたので直したからきれいになってしまったのです。
 さて、この室生寺を観終わった時点で、時刻はまだ13時。おやおや、まだまだ時間があるではありませんか。先輩から「奈良には無鉄砲というラーメン屋があって、それだけのために行く価値がある」という店を紹介されていたのですが、その店は14時から18時の間店を閉めてしまうので食べられません。むむう、時間調整せねば! というわけで無理やり行きたい場所をつくることにしました。地図をにらんでいると、宇陀市からさらに山奥へ行き、県境を入って三重県まで行ったところに十三重塔という文字を見つけたのです。13ですよ。五重塔なんてちゃんちゃらおかしいではありませんか。これは見るしかねえ! さっそく車を出して県境を越えました。途中、国道369号を走ったのですが、はるか昔の5年くらい前に奈良や三重の国道は完走したので、この国道も当然走ったはずです。しかし、当時の記憶が浮かんでこなくて、こんな道だったのか思い出せないのでした。長いトンネルが連続する直線区間があるけど、その区間の記憶は思い出しました。
 そんなこんなで、三重県美杉町の国津神社に着きました。案内看板がまったくなくて少し道に迷ったのは内緒にしてください。地理オタクとして恥ずべきことですから。さてさて、十三重塔、どんなにすごいんだろう……うわあ、ちっちゃ!(画像18枚目) 両親も声を失いました。騙された! 地図にだまされた! おのれ、マックスマップルめ! 国津神社には大きなものもありましたよ、ケヤキの大木(画像19枚目)です。ちなみに三重県教育委員会国津神社十三重塔のサイトはこちら。http://www.pref.mie.jp/bunkazai/hp/fromdb/a010/231.htm
 母が突然絶叫しました。ヘビがいたようです。母はヘビが大嫌いで、テレビにヘビが映し出されるとそれも見れないくらい嫌いで、絶叫していました。ああ、びっくりした。ちなみに私も大嫌いです。テレビのヘビは平気ですけどね。いいから、ヘビのいるところなんてさっさと離れちまおうぜ。この神社はがっかり名所に指定してあげます。
 さて、まだまだ時間があります。奈良盆地まで戻ってもまだ15時です。そこで明日香村へ行くことにしました。母は明日香村の高松塚古墳などはもう見たことがあるそうですが、私と父は見たことがないし、高松塚古墳とか有名じゃん? 気になるじゃん? ということでやってきました、明日香村。詳細な案内標識が少なくて、どこに高松塚古墳やこれまた有名な石舞台を探したのですが、よくわからないままテキトーに駐車しました。車を降りてみると小さな看板があって「高松塚古墳500メートル」という矢印がありました。電車やバスでやってきて歩いている観光客が大勢いて、レンタサイクルも大量に走っています。車には不向きというか、車も多すぎですけどね。
 矢印に従って歩いていくと「高松塚古墳300メートル」、「高松塚古墳100メートル」と、だんだん近づいてきました。ところが次の看板に驚愕しました。「高松塚古墳400メートル」増えた! なんでやねん。もうわけわかんない。あと400メートルという看板のところへ来るとどっちに何があるのかさっぱりわからなくなって、観光客の姿がばったりと減って、かなり不安になりました。でもどうにかこうにか観光客の流れをつかんで高松塚古墳(画像20枚目)に着きました。ここで新たな衝撃が。なんと、かの有名な高松塚古墳の壁画を見るのに250円が必要なのですが、私は無資力だったのです。だって、ここ最近の私はびっくりするくらい金がなくて、今日の旅は親の財布を頼っていたし、親とはぐれていたから250円を出すことができなくて結局見ずじまい。くっそう、マジでファックだし、いつかまた電車で来てレンタサイクルで明日香村を観光してやる! 明日香村は観るべきものが多すぎるのです。たとえば猿石(画像21・22枚目)とか、鬼の俎・鬼の雪隠(画像23・24・25枚目)とか、石舞台とか、その他たくさんのものがあります。この村は楽しいですよ。
 壁画が観れなかったことにイライラしながら、悔しさのあまり石舞台も観ることにして、行ってみると、なぜかよくわかんないのですが、ものすごく大勢の人がいました。何やら世界遺産劇場というイベントが行われているようで、大阪万博とか上海万博のような混雑ぶりでした。まさかみんな石舞台目当てなのかなと思ったのですが、イベント目的だったようです。バスやら車やら歩行者やらで渋谷駅前みたいにたいへんなことになっていました。父が「観るのやめよう」って。ここまで来て引き下がれるかよ! 石舞台の入り口へ突き進みました。すると、16時45分を過ぎてるからもう観れないという悲しいお知らせがありました。石舞台も有料なのですが、有料の場所は基本的に入場が16時45分までなのだそうです……なんてこったい。次来たときは覚えてやがれ!
 時間もちょうどよくなったところで、先輩おすすめのラーメン屋(画像26枚目)へ行きました。開店前ですが、既に行列ができていました。待つことが大嫌いな父はぶつぶつぶつぶつ言いながら、私はそれを無視してただじっと並びました。店の隣にはなぜか黒ウーロン茶しかない自販機(画像27枚目)がありました。順番が回ってきて、ラーメンを食べると、うおおおすげええええ、とんでもなく濃厚です。天下一品に近いとろとろのスープでして、その上にさらに背脂をちゃっちゃとまぶされていて、噛みしめると麺の味がしっかりと伝わってくる太麺、もう最高でした。この味ならわざわざ奈良まで行ってもいいかもしれないくらいのものです。さすがは先輩、私の好みをよく存じていらっしゃる。店を出た客一人一人に店員が「お味はどうでしたか」と聞いていました。みんな「おいしかったです」と答えていましたが「まずい」と答えた客はいたのでしょうか。
 帰りは奈良市から第二阪奈道路を通りました。第二阪奈道路に入る手前で私の前に大阪ナンバーのクラウンがいたのですが、母が何の根拠もなく「この車おかしい」と言いだして、「この車から離れて!」とまで言うのでした。別に全然おかしい動きをしているわけではないし、見た目普通のクラウンだったのですが。たしかに私も昔は大阪ナンバーのクラウンをイコールやくざだと思いこんで恐れていた時期もありましたが、このクラウンは普通ですよ。奈良県を出て大阪市内の阪神高速を突っ切りました。阪神高速から見える大阪城がなんと美しいことか。また、その城を囲む高層建築、そのコントラストがとても良いものになっています。そのあとは阪神高速から煌々と輝く甲子園も見えました。対楽天戦ですな。勝利したようでなによりです。阪神ファンです。最後は淡路サービスエリアで休憩して帰宅しました。
 運転した距離は566キロとなりました。1日に500キロ以上運転したのは3年ぶりくらいです。でも、今回はほとんど高速道路ですからけっこう疲れました。一般道を500キロとか平気だったのですが。もしかしたら最近は電車旅ばっかりだったからすっかり鈍ってしまったかな。

画像1枚目:長谷寺の入り口。

画像2枚目:長谷寺に行きたいと言いだした母の最大の目的はこの花。

画像3枚目:長谷寺の門。

画像4枚目:長谷寺の門をくぐると長い回廊。

画像5枚目:長い回廊をすべて登ると本堂の横に出る。

画像6枚目:本堂から長谷寺全体を見おろす。

画像7枚目:本堂を正面から撮影しようとしてもこれが限界。全体を撮影するのは困難。

画像8枚目:五重塔

画像9枚目:あら、新緑がきれいだわ。

画像10枚目:新緑に包まれた長谷寺

画像11枚目:この建物の中に巨大な掛け軸がある。

画像12枚目:緑に包まれた本堂を遠方から撮影。

画像13枚目:室生寺へ続く小さな橋。

画像14枚目:室生寺の入り口になぜか虚無僧がいらっしゃる。

画像15枚目:室生寺の門。この画像の中に両親がいます。

画像16枚目:室生寺の門の中にある仁王像の乳首。

画像17枚目:室生寺の国宝五重塔

画像18枚目:三重県国津神社にある十三重塔。一応、国指定の文化財

画像19枚目:国津神社の大ケヤキ

画像20枚目:高松塚古墳

画像21枚目:猿石。宮内庁の管轄らしい。

画像22枚目:猿石。合計4つある。猿に見えなくもない。

画像23枚目:鬼の俎、鬼の雪隠を案内してくれる情報板。

画像24枚目:鬼の雪隠。せっちんと読みます。

画像25枚目:鬼の俎。まないたと読みます。

画像26枚目:先輩おすすめの奈良のラーメン屋。開店前の行列。

画像27枚目:ラーメン屋隣の自販機は黒烏龍茶しかない。

画像28枚目:淡路サービスエリアにある観覧車。