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ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「君たちはどう生きるか」鑑賞感想

ポスター画像

2023年7月公開

監督、脚本、原作:宮﨑駿

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あらすじ:太平洋戦争の日本、1942年、少年の眞人は母を戦火で失った。それから3年後、彼の父が母の妹である夏子と再婚した。眞人は父とともに実母の実家へ疎開した。そこには父の軍需工場もあった。実家は大きな屋敷なのだが、近くの森の中には奇妙な塔があった。その塔で不思議な体験をした眞人は人語を話すアオサギから実母が塔の中にいると聞かされるのだが、果たして。

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 面白かったです。面白いと思うことができて良かったです。賛否の別れそうな作品なので私としましては勝った気分です。

 さて、劇場は満席でした。前日にチケットを購入していたのですが、そのときは1割も埋まっていない状態でしたし、きっと当日もある程度空いているのだろうと予想していましたが。

 さてさて、鑑賞前日は吉野源三郎著「君たちはどう生きるか」の解説動画を見ていました。さらに、初上映日は先を争うようにして配信された本作の解説動画も3本見ていました。それがなければ楽しめなかったかもしれないと思います。原作ではないけれど作中で主人公が読むという書籍「君たちはどう生きるか」は、概ねの内容を知った上で鑑賞したほうがいいと思います。この映画はこの書籍をある程度なぞっています。

 前半は物語が進まなくて退屈だという解説動画を2本見ましたけどそんなことないでしょう。冒頭から最後まで物語はバリバリ動いていたと思うのですがいかがでしょうか。

 本作の感想ですが、相変わらずの調理と食事の描写が盛りだくさんで、駿さんは本当に食事大好きですね。そこは変わりませんね。ジブリ作品はハウル神隠し、もののけ姫については1~2回程度しか見ていない上で申しますけども、駿さんも成長しましたよね。少年少女の一途な思いを描き続けてきた駿翁もとうとうオトナになったのではありませんかね。眞人が大人になる瞬間がありますし。少年少女の交流ではなく母と子ですし、友達を作る物語でしたし、大人としての選択をする物語でしたし、駿さんも立派になりましたよね。

 とはいうものの、わからないところはたくさんあります。ただ、それらは物語の大筋にそれほど影響していないだろうし、往って還ってくる物語ですし、生き方を選ぶ物語ですし、あまり惑わされなくてもいいのかなと思います。

 1941年生まれ82歳の駿さんに果たして次はあるのでしょうか。次代を担う立派な監督はいくらかいますが、アニメーターが全然育っておらず作画技術の停滞がみられるという日本アニメ業界に不安を覚えつつ他国のアニメを楽しみに待つ今日この頃です。