2023年3月日本公開
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あらすじ:1952年のアメリカ、幼いサミーは父と母に連れられて映画館にやってきた。「地上最大のショウ」という映画を見たサミーは映画製作の虜になった。成長していく彼はカメラを放さず、家族や仲間を撮り続けていた。そんな中で母や父の別の一面にも気づいていくのだった。
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フェイブルマンさんちのサミー君が19歳か20歳に成長していくまでの姿を追う作品となっています。
略してエブエブはいろいろな映画のネタが散りばめられていました。バビロンは無声映画からカラー映画に至るまでの映画業界を舞台にしたものであり、スタッフロールに入る直前では映画史において重要な作品が挿し込まれていました。このフェイブルマンズはスティーヴン・スピルバーグ作品の原点がいくつか見られました。最近はこのような作品が流行りなのでしょうかね。内輪ネタとも言えるかもしれません。
というわけで、エブエブやバビロンよりもフェイブルマンズのほうがはるかに面白かったです。地に足のついている落ち着いた作品であり、安心して見ていられるのです。落ち着いているけれど、サミー君は確実に狂っていく感じもありました。高校で彼をいじめていた奴らをかっこよく撮ってしまうあたりなんて最高じゃないですか。絶対に嫌いで憎い奴らなのに、映像のネタとしては最高なんですよね。
そして、最後の「地平線が下にある絵は面白い。地平線が上にある絵も面白い。地平線が真ん中にある絵はクソつまらん」も最高です。
私の中ではアカデミー最優秀作品賞は本作です。でも、演技や脚本やデザインはエブエブだと思います。歌曲は絶対にRRRでお願いします。