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ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「バリー・シール アメリカをはめた男」鑑賞感想


2017年9月米国公開
監督:ダグ・リーマン
脚本:ゲイリー・スピネッリ
音楽:クリストフ・ベック
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あらすじ:1978年、TWAで最年少パイロットとなっていたバリー・シールは凄腕だった。ある日、シェイファーと名乗る男から中米の偵察任務に誘われる。シェイファーは明かさなかったが間違いなくCIA職員だった。妻の反対を受けつつ内緒でこの任務を実行するが、やがてコロンビアのカルテルから麻薬輸送を任されるようになり、彼は莫大な資金を稼いでいった。仲間と飛行機を増やしていくが、バリーはもはやまともな生活を取り戻すことなど不可能だった。
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 実録物ということですね。
 トムクルーズという名俳優を中心に据えてハチャメチャ実録物をやるというのは、何やらウルフ・オブ・ウォールストリートの二番煎じのような気がします。内容も似ていますよね。手を出してはいけないことをやって、ずぶずぶとハマッていく、家族を巻き込む、莫大な金を動かすというのがそっくりです。今作は二番煎じではなくオリジナル要素を入れていき今作なりの成功をしたのかというと、そうは思えません。失敗していると思います。
 当時の1980年前後の音楽を絡めつつ、当時の空気でオシャレにやってみたものの、滑っていると思います。なんだろうなあ、楽しくないんですよねえ。ウルフ・オブ・ウォールストリートはとにかく楽しかったです。ひたすら悪いことをやっている映画だったのですが、めちゃくちゃ楽しかったです。今作は楽しさがないです。莫大な金を稼いでいるのに全然楽しそうじゃないし、稼げば稼ぐほどバリー・シールの人生や家族が追い込まれていくのでした。金が増えたら増えるだけ彼の状況は悪くなる、そんなところを見ていても楽しくないわけで、トムクルーズが主演だとなんだか楽しくないし、トムクルーズはやっぱり何をやってもクソまじめで面白くないです。
 だって、そういう映画なんだもん、仕方ないじゃんということですかね。楽しかったらダメな内容ですけど、映画は映画であって、エンタメなんだから楽しませてほしいなあと思いました。
 レオ様はそういうところがうまいんだと思いますよ。まじめな映画ではまじめだし、悪役をやらせたらどっぷりはまります。トムクルーズは何をやってもトムクルーズなのではないでしょうか。トムクルーズは冷徹な悪役か正義の味方しかやらせるしかないかもしれません。