やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「バケモノの子」感想


2015年7月公開
監督、脚本、原作:細田守
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あらすじ:離婚した父は行方不明で母は事故死した。蓮は親族に引き取られるはずだったが逃げ出した。渋谷で彷徨っているところをバケモノの熊徹に弟子になるように言われた。後を追うといつの間にかバケモノの世界に迷い込んだ。蓮と熊徹はいがみ合いながらもいっしょに過ごし、蓮の弟子としての生活が始まった。
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 おおかみこどもが母の視点でバケモノの姉弟を育てる物語でした。今回は人間の少年の視点でバケモノの父親と生きていく物語です。
 親から子を見たらモンスターなんだよという話を会社の事務員さんから聞いたことがあります。でも、子から親を見るとモンスターに見えるのではないでしょうか。
 さて、奇妙な関係にある親子の物語です。「そして父になる」と同じように、今回もだいぶ泣かせていただきました。クライマックスの闇落ちした子と蓮の戦いはこの作品をエンタメにするためのアクションなのかなと思います。あくまで親子の物語なのでしょう。
 強くなっていく蓮です。成長した蓮は、果たして人間の世界での生活を望むのか、バケモノの世界での生活を望むのか、選択が待っていました。結局、人間の世界を選びましたが、それはちょっとがっかりしました。能力もあって熊徹とも渡り合えるほど成長したのに人間の世界を選びます。能力のある者は相応の道を選んでほしかったなあと思うのですが、蓮が普通の人間の生活に憧れた場面もありました。だから、彼自身が望んだ選択なのかなということでしょう。
 ちなみに、「渋谷で観るべきだった」とつぶやいている方がいました。そのとおりです。
 舞台は表の渋谷と裏の渋谷です。これは、渋谷の映画館で鑑賞したら臨場感に満たされること間違い無しです。
 声優については、有名な俳優ばかりですね。どれもこれも声がよく合っています。ただ、成長した蓮の声を担当した染谷将太は合っていません。声優には向いていないと思います。普段の演技では感じませんが、声優をやらせると滑舌の悪さが目立ちます。
 最後に、蓮が生卵を苦手にしていてたまごかけごはんをおいしく食べることができないのは残念でした。
 というわけで、おまえ強いな! 強い奴は大好きだ!