やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「暗殺教室」感想(ネタバレ)


2015年3月公開
監督:羽住英一郎 脚本:金沢達也
原作:松井優征暗殺教室」(週刊少年ジャンプ)
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あらすじ:月の7割が消滅して常時三日月になった。直後の4月に、名門進学校「椚ヶ丘中学校」の落ちこぼれが集められた3年E組に突然タコ型の生命体が出現した。そのクラスの担任をすることになったという。副担任として防衛省の烏丸も着任した。烏丸によると卒業までにその生命体を暗殺すれば報酬100億を払うという。失敗すれば地球が消える。学園内のE組の立ち位置、世界からやってくる暗殺者、E組の生徒のために親身に先生を務める生命体、徐々に自信をつけて成長していくE組の生徒たち、奇妙な学園生活が始まった。
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 漫画未読、アニメは鑑賞中です。羽住監督の作品は、ドラマはまったく観ていないです。映画のワイルド7は観ましたが酷評させていただきました。海猿シリーズは悪い噂しか耳にしないのでこの先も観ることはないでしょう。観てもいない映画を批判するのはダメですよ!
 しかし、暗殺教室には手を出してしまいました。何でだろう。鑑賞しろと言われましたけど、観ろと言われて観たわけでもありませんし。
 さて、アニメはまだ放送中であり私は結末を知りません。映画公開の時点で10話まで観ました。そうなると、知らないキャラが登場しました。せんせーと同じ能力を持った少年です。その少年もアニメの予告によると出るみたいですね。
 アニメを観た上で気になっていたのは、この内容を2時間に収めるのは難しいだろうということです。ところが、この映画も続編があるのですね。映画の最後に「to be continue」と出ました。もし三池監督だったらその文字を出しておきながら続編をいっさいやらないでしょうけど、さすがに羽住監督ですからねえ。映画は、夏休みに殺せんせー暗殺大会をやって、殺せんせーをエネルギー体に守られたボールに変化させるほど追い込みました。その後防衛省がボールになったせんせーを巨大な施設に閉じ込めて爆破して殺すところまでやりました。まあ、死んでないんですけどねえ。
 とにかく、はなっから暗殺教室を2時間で終わらせる気がなくて、原作未読の私には茅野の演技がなんだか不自然だなと思って調べてみたら原作のほうでは裏切るらしいじゃないですか。そういう伏線も、死神も、いろいろ続編に放り投げて映画を終わらせたのは噴飯ものです。続編があることを公表していたら怒らずに済みましたけどね。最近の日本映画は続編が多いですよ。その点は気を付けてほしいですね。
 さてさて、アニメにまだ出ていない鷹岡を高嶋政伸が演じていました。高嶋兄弟はこんな役ばかりを演じるようになった気がします。
 アニメでは(アニメアニメばかり言ってごめんなさい)生徒たちが暗殺者として成長していくというよりも自信を持った立派な人間として成長していく様を丁寧に描いているように思います。それに対して、映画のほうは人間としてというよりも本当に暗殺者として成長していく様子を描いているように思います。その点には違和感がありました。
 映画の冒頭では、E組の立ち位置や落ちこぼれの生徒たちを成長させていく殺せんせーとの関係をわずかな時間で説明していました。あまりにもわずかな時間で省いた説明であり、原作などを知らないと厳しいのではないかと思います。
 最も違和感があるのは渚くんです。映画の渚くんはプロの暗殺者として成長しており、その成長過程が省かれているために成長したというよりももともとそういう人間だったように見えます。アニメのほうでは一瞬だけ恐怖の暗殺者の一面を見せたことがありましたが、それも一瞬であってアニメの渚くんは人間的に成長を続けていると思います。アニメの今後の展開では彼が暗殺者として成長してしまう可能性がありますけれども、もしそうなったら哀しいなあ。
 どうせ暗殺教室は、暗殺できないまま大団円で終わるんでしょう? 殺せんせーは地球を爆破する予定なんかないんですよ。たぶん。それにしても、生徒は本当にどんな先生と出会うかによって大きく変わりますね。本当にそう思います。
 せんせーの声は二宮和也だったということが、スタッフロールの巻き戻しによって判明したのですが、違和感はありません。うまいです。え? 舞台挨拶で二宮和也だったことが明かされているのですか。それは失礼しました。
 リツを演じた橋本環奈は動いているところを初めて観ましたけど、すんげえかわいいですけど、声がかわいくないです……。
 それにしても、月があんなことになれば地球では潮汐など甚大な被害を被るでしょうけど、そのあたりは超生物がなんとかしてくれているのでしょうか。
 最後に、この映画は、なんだかんだ言って自分が用意したハードルに比べるとそこまで悪くないですけどねえ。良し悪しは皆さん自身が鑑賞して判断してみてください。