2014年4月公開
監督:高橋渉
脚本:中島かずき
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ぎっくり腰になった野原ひろしは謎の美女に誘われてマッサージの無料体験を受けることになった。自宅に戻ったところでひろしは自身がロボットにされていることに気づく。みさえからは怖がられて家の外で一夜を過ごした。
その後、ロボットの能力を生かして家族を助け仕事でも活躍したがひろしをロボットにした組織:ちちゆれ同盟と戦うことに。
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久々にクレしん映画を楽しめたと思います。公開初日の鑑賞は土曜日だったためかほぼ満席でした。両側に子供だけのグループがいて、オトナ1人で来ていた私は父親のふりをしていました。たぶん、1人で来ていたのはバレバレだと思います。
今回は場面3カ所ほどで泣きました。どの場面もロボットとなったひろしが生身のひろしと対面したあとです。
ロボひろしと生身ひろしがお互いを偽者だと主張し、しんのすけやみさえは翻弄されていました。
対面するまではロボコップみたいな感じでロボにされた悲哀があったのですが、対面したあとは自分は本物なのか苦しむ展開となります。
ロボットとしての悲哀については良いとして、今回の映画のもうひとつの主題として「日本の父の復権」がありました。
組織の目的は、日本の父が強かった時代を取り戻すことでした。自宅では家族に邪険に扱われ、逃げ場所だった公園では子連れの母親に追い出される弱い父親たちが大勢出てきました。
その中でひとりの父親がたばこを吸う場面もありまして、いまどきのたばこに風当たりの強い状況でしかもクレしん映画で喫煙場面が出てくることに驚きました。それはさておき、父の復権という主題に対してどんな答えを出すのか最後までドキドキしていたのですが、なんかいまいち答えを出してくれませんでした。その点が不満です。原題の父親たちはどうしたらいいんでしょうね。わかりません。
とにかく、ロボット映画としては新たな良作が生まれたのではないかと思います。
鉄人28号などのネタが盛り込まれていたし、冒頭のカンタムロボの場面ではガオガイガーのカーペンターズだかプライヤーズみたいなものもありまして、幅広くロボット物を取りこんでいるのではないでしょうか。
あと、署長の苗字が黒岩だったんですけど刑事ドラマ大都会をパクりましたかね。私の考えすぎでしょうか。
というわけで、久々におすすめのクレしん映画です。