あらすじ:
1962年に始まった007映画シリーズの50周年記念作品(23作目)ボンド役は今回で3度目となるダニエルクレイグ。
イギリス情報局秘密情報部「MI6」のエージェントであるジェームズボンドはイスタンブールへ向かう。
今回の敵はNATO諜報部員の情報が記録されているハードディスクを強奪していた。それを奪還するためだ。
同じくMI6のエージェント:イヴがMI6の上司Mの指令どおりにボンドとともに敵を追い詰める。しかし、誤ってボンドを射殺してしまった。
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映画館で観るつもりはありませんでした。どうせつまらんに決まっているのです。カジノロワイヤルでダニエルクレイグ演じるボンドが気に入らなかったし、ボンドが007になるまでの新人としての話というのも嫌な感じでした。完璧な状態でのボンドを観たかったですから。常に華麗に紳士的なボンドを理想していました。
しかし、やたらとこのスカイフォールを褒める人がいらっしゃいます。宇多丸さんとか。それで、ちょっと気にしてはいました。
私の場合、007シリーズはピアースブロスナンしか知りませんでした。カジノロワイヤルは観ていたのですが、それ以外まったく観ていません。
ただ、いずれスカイフォールはDVDレンタルで観ることになるだろうと思いまして、その予習のために2012年12月後半からシリーズを頭から観始めたのです。
それで、予習をしているうちにスカイフォールを映画館で観る決意がついてしまいました。結局は「消されたライセンス」と「慰めの報酬」をまだ観ていない状態でスカイフォール鑑賞となりました。
そんなスカイフォール、面白いですな。
冒頭の登場からですよ。いつもの銃口を通した登場(ガンバレルシークエンスっていうのかね)ではない長い廊下の先に颯爽と現れるボンドの影ですよ。本当は、いつもの銃口からの登場が良かったのですがね。
とにかく、今回はめっちゃかっこいいですな。撃たれているにもかかわらず、それを上着で隠して涼しい顔をして任務を続ける様が007です。
それにしても予告で観たアクションがほとんどOPまでにやられてしまいました。激しいアクションの連続によってつかみはバッチリです。そして、二度死ぬじゃないけど、川に転落して、そこからのOP突入です。
今回のOPで気になったのは、女性が銃を持っていないことです。そして、ボンドのほうが銃を持っているのです。これまでのシリーズとは違いますね。ただ、このOP映像も死ぬほど良いです。死をまとうボンドそのままです。ボンドの行くところ、死あり。ボンド自身も死んだからこそこのOPに落ちたわけですから。
シリーズ3作目ゴールドフィンガーで登場した無線機が今回も大活躍ですが、無線機についてはあまりピンとこなかったです。
それよりもボンドカーの登場です。しかも、その時代に合わせたボンドカーではなく、まさかの昔の初代ボンドカー:アストンマーチンではありませんか。同時に、BGMも当時のものが流れるではありませんか。
シリーズを事前に観ていたものですから、テンション上がりました。
そのボンドカーが今回の敵シルヴァが率いてきたヘリによって爆破されてしまいます。しかも、爆破する必要がまったくないにもかかわらずわざわざボンドカーを爆破するように指示していますからね。
それを目撃したボンドが激怒ですよ。もうね、私も激怒ですよ。「壊さずに返してくれ」とQに言われていたのに! そうじゃなくて、古いものは良いというメッセージもある今作で、ボンドカーを破壊するのですから、激怒するに決まっています。
しかし、これは新たな007シリーズの始まりでもありました。
なんと、今作ではMの最期が描かれてしまうわけですよ。
Qも新しいQですしねえ。ボンドを狙撃した新人エージェントの女性が実はマニーペニーだったという点からして、今作は新旧交代だったわけですよ。
それで、気に入らないのはガンバレルシークエンスというやつです。エンドロール前にあったから良いですが、ボンドに撃たれて血に染まっていきグラグラ揺れて・・・という流れになっていないでしょう。赤く染まったところでエンドロール突入ではありませんか。そうじゃなくて、ちゃんとグラグラ揺れないとダメなんですよ。そこまでやってほしいです。
さてさて、かっこいいのは認めます。
ショベルカーで破壊した後の列車に乗る場面、中国のカジノへ船で渡る場面、スコットランドの風景、美しいです。
ただ、ダニエルクレイグ演じるボンドはお堅いですよ。私の理想的な007はピアースブロスナン、いや、ロジャームーアかな。華麗な中にユーモアもはさんでくる余裕を見せてほしいです。シリアスすぎてつらいです。女性とのセックスもないですし。
あと2作はダニエルクレイグ演じるボンドが続くようです。我慢ですな。(31)