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ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「グランド・イリュージョン」を観た感想(ネタバレ)


 2013年5月アメリカ公開、同年10月25日日本公開。
 監督:ルイ・ルテリエ。
 脚本:エド・ソロモン、ボアズ・イェーキンエドワード・リコート。
 原案:ボアズ・イェーキン
 出演:
  ジェシー・アイゼンバーグ(ダニエル・アトラス役、マジシャンチームのリーダー)
  ウディ・ハレルソン(メリット・オズボーン役、人心を操るメンタリスト)
  アイラ・フィッシャー(ヘンリー・リーヴス役、脱出マジックを得意とする)
  デイヴ・フランコ(ジャック・ワイルダー役、カードマジックなどを得意とする)
  マーク・ラファロ(ディラン・ローズ役、事件捜査の指揮を取るFBI捜査官)
  メラニー・ロラン(アルマ・ドレイ役、フランスから事件捜査のために派遣)
  マイケル・ケイン(アーサー・トレスラー役、フォー・ホースメンを援助する)
  モーガン・フリーマン(サディアス・ブラッドリー役、チームのマジックを見破る)

 謎の人物によってマジシャンチーム「フォー・ホースメン」が結成された。彼らはラスベガスMGMグランドでマジックショーを披露し、そのクライマックスでパリの銀行から320万ユーロを盗み出してみせた。
 FBIがこの事件の捜査を担当することになり、ディラン・ローズが指揮した。さらにインターポールからアルマ・ドレイが派遣されて、ディランはアルマと組んでマジシャンチームと対決した。だが、解決の糸口が見えず、マジックの種明かしの名手サディアスが捜査チームに助言しようと近づいてきた。
 それでも、大金を盗み出す彼らのマジックショーは繰り返された。
 フォー・ホースメンの目的は何か、彼らを集めた人物の正体は誰なのか。このままショーは続くのか。

 監督のルイ・ルテリエはこれまでトランスポーター、ダニー・ザ・ドッグインクレディブル・ハルクタイタンの戦いを撮ってきて、今作が最新作とのことです、あと、聖闘士星矢のファンだそうです。
 原案のボアズ・イェーキンパニッシャー脚本やホステル製作総指揮など、それとフロム・ダスク・ティル・ドーン2原案を手掛けています。
 エド・ソロモンはスペース・エイド、メン・イン・ブラックチャーリーズ・エンジェル脚本を手掛けてきています。
 こうしてみると、マジックショーに縁の無さそうなチームです。今作もマジックショーというよりアクション色が強いですし。
 ここで、ネタばらしです。
 原題は「NOW YOU SEE ME」でした。劇中で何度も出てきた「近づきすぎるとわからなくなる」というやつと原題から謎の人物が誰なのか予想がつきます。本編を観ていて、映画館の観客にとって最も近かった人物が正体となります。それはディラン・ローズ捜査官です。フォー・ホースメンではなくディランこそが主人公だというのも観ていて気づきますね。
 結果として、謎の人物による復讐劇だったわけです。ディラン・ローズの親はマジシャンだったものの、金欲しさに種明かしするマジシャン:サディアスが原因で死んでいます。そのために4人はそのために集められて、最後の最後でサディアスをハメたのでした。
 なんか、こうして文にしてみると、ラスベガス〜ニューオリンズ〜ニューヨークを移動して壮大なマジックをするほどのことかなと思えてきました。
 最初のうちにフォー・ホースメンを援助したアーサーはトンだとばっちりを食っていますし。
 4人はこんなことによくもまあ人生を掛けて手を貸したなと思えます。犯罪に手を染めたわけですから。
 ちなみに、私は結果的にディラン・ローズ捜査官が黒幕だったことで偉そうに上記のようなことを申しましたが、観ている途中は(ディラン捜査官が黒幕だったら嫌だなあ)と思っていただけです。あまり予想はついていませんでした。まんまと騙されています。原題とダニエルのセリフ以外に、ディランが父親とつながるような伏線がなかったように思うのですが。何度か観たらわかるのかな。
 ジャックの運転する車が横転炎上するまでのカーチェイスでは、ジャックの車と同じ車がやけに多いなあ、バスの挙動がおかしいなあというくらいには思っていましたけどね。
 全体的に雑な作りではないでしょうかね。そもそものオチが雑でしょう。それに、アーサーが援助するまでに至った経緯がごっそり抜けています。
 ダニエルたちがこのマジックを披露した動機が弱いです。4人がディランと出会った場面で、「アイ」への興奮を語るあたりが動機付けになるということでしょうかね。このチーム名となった理由も知りたいです。
 あと、メンタリストが最強ではありませんか。どのマジックも人の心を操ったからこそ成功しています。
 最後の髭面ディランがアルマとキスする場面などは正直ないわと思いました。アルマはディランに人心操作されちゃったかな。
 ただ、125分とやや長めですが、長く感じない構成のうまさはありました。次から次へと新しい場面を繰り出されて飽きるところがなかったです。
 さて、フォー・ホースメンの紅一点ヘンリー役アイラ・フィッシャーサシャ・バロン・コーエンの妻だそうです。ヘンリーが劇中のショーでやっていた肘から先を見せる袖の短い服がだいぶ好みです。手袋もはめててかっこいいです。女性の腕まくりは良いよ!
 続編が確定しています。彼らのマジックはいろいろ観たいと思えるものだったし、チーム結成の裏側もネタばらししてほしいです。(274)