あらすじ:我がナチスドイツは第二次大戦に敗北するも、なんとか月に逃れた。長い間、月でくすぶってきた我々だが、2018年、ついに準備は整った。地球を取り戻すのである! ハイルヒトラー!
・
今年は何度も言ったような気がしますが、今年最大の注目作でした。
何しろ、ナチスが月から攻めてくるのですから。
去年はロサンゼルス決戦やスカイラインなど宇宙からの侵略が相次ぎましたが、今回はまさかのスペースナチスですよ。
ツッコミどころは満載でして、月の裏側で巨大な建造物を作っているのにもかかわらず今までバレていなかったり、月に逃れたナチスのほうが地球よりも科学力が劣っていたり。
科学力の差はかなり笑うところですけどね。iPhoneを地球から手に入れて、そのあまりの性能に驚嘆するナチスに一番笑います。
風刺が何より凄まじいです。
米国女性大統領が再選を目指すため月に黒人(モデル)を送りこむところからこの映画は始まりますけど、その黒人を捕らえたナチスが、彼のことをひたすら差別しまくって、挙句白人(アーリア人)に変えてしまったり。
そのナチスも風刺の対象となっていますし、国連(作中では国際同盟)も米国もいろいろな国もジョークの対象です。
何のためらいもなく核兵器を使用しますし。
戦闘は、月から来たナチスの一方的なものにはなっておらず、むしろ、地球側もむちゃくちゃな兵器を出してきます。なんと、米国はじめ日本を含む各国が宇宙戦闘艦を出撃させるのです。この場面はけっこう上がりますよ。
結末が後味の悪いものでした。
近年稀に見る後味の悪さが残ります。
月面のヘリウム3をめぐって、各国がけんかを始めます。それはエンドロールの背景で核戦争へと発展し、ついには地球が真っ赤な火星のような惑星へと変わってしまうのです。
月で生き残ったナチス残党が地球人の生き残りとして再興していくような結末となりました。
爆笑させてくれる映画なのですが、結末で嫌な気分にさせてくれます。
ナチス対国連の宇宙戦争になるまでがけっこうダルいのですが、そこは我慢してほしいです。
ナチス女性のリヒター役がかなりかわいいですので、そこも注目です。予告で胸元を開けて演説している女性のことです。めっちゃかわいいですし、しかもナチスを勘違いしていますので。地球に平和をもたらすのがナチスだと思いこんでいます。
そんなアイアンスカイ、少々雑なところもありますが、見どころのほうが多いです。おすすめです。月面や宇宙で音がするのは、ヤダなあ。