やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

『塔の上のラプンツェル』を観てきた

http://www.disney.co.jp/movies/tounoue/
 ライダーの映画でカチンときた後に癒しのつもりで観ました。ウソです。事前にチケットを購入していました。観る気はこれぽちもなかったのですが、タランティーノが褒めているというので観ることにしたのです。
 まず、面白かったです。おすすめです。
 世界を知らされることなく育てられた女の子がその世界に出ていく、そしてどうなるというお話です。原作はグリム童話の髪長姫だそうで。プリンセスストーリーという分類に入るそうですよ。まさに、この女の子・ラプンツェルは実は王女なんですけど。それで、ラプンツェルのそのめちゃくちゃ長い髪にはある秘密があるのですが、王女であることも髪の秘密もすべてタイトルが出るより先に明かされます。話はそこからなんですよ。
 ラプンツェルが外の世界へ出るきっかけとなるのは、若い盗賊の登場です。彼・フリンと出て世界を知るのですが。
 まずは、作画がすばらしいです。私としては今年初めての3Dでした。ラプンツェルの髪が実写かっていうくらい1本1本見えるんですよ。草の質感とか。本当に、こういうところはすごいですね。ピクサーの力を使ってるんですかね。
 次に。盗賊は追われる立場であり、その盗賊といっしょにラプンツェルも逃げます。その一場面、ダムのところです。盗賊を捕まえるために馬が1本の木をはずすんですよ。あ、この馬は重要ですからね。その1本の木がはずされることによってそのあとラプンツェルたちがたいへんな目に遭います。この一連の流れの無理の無さがすばらしいです。小道具の使い方ってやつですか。それで、このピンチから救われるきっかけとなるのも、ラプンツェルの髪ということで、しっかり髪の重要さが生きています。でも、こういうところはアニメだからこそできるんでしょうかね。実写では難しいでしょうか。木1本からダムが崩壊して、大量の水に呑まれていき、髪による脱出へつながる〜。
 ラプンツェルは大勢の人々と出会います。この人々を変化させるし、ラプンツェルも世界を少しずつ知っていくんです。その人々も後々、話の中で大切な役割を担うのでお見逃しなく。
 さて、最初にラプンツェルの正体が知らされるので、ならば結末が見えてくるわけです。めちゃくちゃ長い髪をどうするのか、ということですよ。まず間違いなく切ることになるのでしょうね。そこで重要になるのは髪を切る理由と方法です。どんな理由と方法を持ってくるのか。これは必見ですから。私はすばらしいと思いました。
 髪が切れる瞬間に、盗賊は、彼自身が盗賊として重ねてきた罪を償うんです。これ、本当にすごいから。観て! これ以上詳しいことは言えないから観て!
 たとえば、今年はザ・タウンという映画がありました。主人公は盗賊です。その主人公は罪を償うことなく消えていきます。
 たとえば、今日4月1日から始まったライダー映画のアンクです。こいつのせいで人々がたいへんなことになるのに、一切罪を償わずへらへらしているんですよ。
 この映画に出てきた盗賊の罪の償い方を見習え!
 ひとつ、ラプンツェルが自分は王女だと知るきっかけがあまりにも無理ありすぎでした。あれはどうにかならなかったかな〜。ほかに悪いところと言えばねえ、ううん、ラプンツェルが王女だというところですかねえ。身も蓋もないけど、彼女は消えた王女なわけですが、国民はそのどこにいるのか生きているのかどうかもわからなくなった王女を何の疑いもなく愛しているのですよ。でもそれって日本の愛子様みたいなものでもあるし、まあ、いいか。
 それで、髪が切れたらラプンツェルはどんな見た目になるのか、そこも気になりますよね。なりますよね。ぶっちゃけショートヘアになります。これがね、マジでかわいいから。ショートのラプンツェルも必見ですよ。さらには、吹き替えで観ましたが、ラプンツェルの声は中川翔子なんですね。うまいっすねえ。スタッフロール観て中川翔子だということを知りましたが。
 それで、プリンセスストーリーだからしかたないのかもしれないけど、結局はラプンツェルは体制側ですよ。お子様にとってはあこがれの存在かもしれませんが、こいつ、俺たちの頂点に立ってるんだよなと思うとなんかね、複雑です。
 とにかくね、アクションが良いし、お話はひたすら王道ですけど、良作です。おすすめ。