やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「英国王のスピーチ」の感想

http://kingsspeech.gaga.ne.jp/
 昨日3月24日、リネシーブル神戸にて英国王のスピーチを観てきました。このブログで感想を書くために、映画を観ながらメモを取っていました。真っ暗な中で手元を見なくても意外と書けるものですね。
 さて、アカデミー作品賞受賞ということですが、だからと言って、そんなものに惑わされず、私は私なりに当たって砕けてきました。まず結論ですが、いまいち。ソーシャルネットワークのときは「やべえ、これ面白いわ」とギラギラしていましたが、今回はそういうこともなく。
 ほぼ会話による進行はソーシャルネットワークと同じです。こっちはスピーチですからなおさらです。SNSのことを知らなくても、フェイスブックを知らなくてもソーシャルネットワークをかなり楽しめましたが、今回は英国王室のことを全然知らずに行きまして、わからないことが少々ありました。
 飾りになりつつあり、国民の機嫌を取らなければならない状況にある王室、主人公の父ジョージ5世や彼の妻であるエリザベス、その辺は事前に押さえておくべきだったかもしれません。キングジョージ5世なんて戦艦の名前でしか知らなかったですよ。
 時代背景は第二次大戦に突入しつつある厳しい状況です。なおさら、王室は国民の心をひとつにして国難に当たらなければならないときですから。スピーチは重要です。
 だから? って感じなんですよ。観てて、緊迫感が伝わってこないんです。スピーチ、本当に必要なのかな、別にいらないんじゃないの?って。首相が頼りにならないから今は王室が大切らしいのですが、それも観てるこっちに伝わってこない。
 気になる部分はありました。主人公と妻は公に出て既にスピーチをしたりしているのに、そのあと彼らと出会うドクターが妻に会っても驚かないんですよ。顔を知らないみたいでした。実際はそんなものだと思いますがね。ただ、主人公たちが王になると途端に状況が変わります。ドクターの妻が主人公たちに会って感激するんです。そりゃあもう、王と会ったら感激して当たり前ですが、ドクターが初めて会ったときとはえらくちがうものですから違和感がありました。
 次に、ドクターについて。ドクターは主人公のためにがんばりました。そのドクターも役者を目指しているようで、オーディションを受けるのですが落ちます。そのオーディションというのが映画の始めのほうです。そのことが映画の最後まで回収されずに終わってしまうのです。これはいかがなものかと。ドクターは王のためにがんばって、それで終わりですか。挫折したままじゃないですか。残念でした。ドクターが役者志望だということを主人公に話したことはなかったと思うのですが、いつの間にか主人公は役者志望のことを知っていました。にもかかわらずドクターはその夢をかなえることなく映画終了。
 次に、主人公の背負ってきたものとか、苦しみとか、そういうものがだいたいセリフで説明されてしまって、映像そのものに意味がない感じなんですよ。この映画は、画面を観ずに音だけ聴いていてもそれで十分なものになってしまっている感じです。
 気になる部分があります。カメラのピントが壁紙に合わされているような気がします。ドクターの家の壁紙ね。部屋によってデザインがちがうんですよ。何か意味があったんですかね。演説のシーンではドクターが主人公のために壁紙を変えたというのですが、やはり何か意味がこめられていたようです。
 次の気になる部分について。字幕で観たのですが、アニメのコードギアスが好きな私としてはやはり「ユアハイネス」と「ユアマジェスティ」を聴き逃さなかったです。本当に言うんですねえ。
 良かったところはあります。主人公の演技がすごいってことです。吃音症の苦しみはしっかりと伝わってきました。映画がつまんないのですが、いつの間にやら主人公を応援してしまいます。
 あと、主人公の妻はめちゃくちゃいい人ですねえ。後のエリザベス女王ですか? こんな献身的な妻はなかなかいないでしょうに。主人公を治すためにがんばるドクターとも良い関係を築いていくようですし。
 当時から既に英国王室はこんなにフランクだったんですか。こんなに下々と接することができたんですか。これはちょっと驚きました。
 そんな私も、演説のあとの拍手でちょっと泣きました。
 ううむ、メモがありますが、書いてある文字は読めますが、どうしよ、意味がわかんない。自分で書いておきながら。というわけで感想は以上です。いいと思います。