やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

徳島県内全駅下車をがっつりと 牟岐線午前編

JR全線全駅下車の旅 (ワニ文庫)

JR全線全駅下車の旅 (ワニ文庫)

 国内の鉄道全路線完乗を目指している私は、少なくとも地元徳島県くらいは全駅下車しておこうと思いました。なぜそんなことをするようになったのかというと、先輩からその存在を教えてもらった上の書籍からの影響です。この書籍の内容は、作者本人が国内のJR線全駅で乗り降りしてきたことをひたすら記録しているだけのものです。木造の古い駅ばかりを称賛していてそれが鼻につくのですが、正直に「すげえ。化けもんだ。マジですげえ」と思いました。
 これまで徳島県内の高徳線土讃線徳島線の全駅と鳴門線鳴門駅牟岐線のほとんど・阿佐海岸鉄道宍喰駅で乗り降りしてきました。ルールとしては、列車から降りて改札口(ない場合は駅の敷地の外へ出る。)を出て駅前までできるだけ出ておく、もしくは列車に乗るため駅を利用する、ということで乗り換えのみの場合や駅の外に出なかった場合は乗り降りのカウントに含めないと決めていました。
 さて、今回はいよいよ牟岐線の残り7駅(阿波海南・浅川・鯖瀬・辺川・山河内・阿波橘・見能林)と鳴門線の残り5駅(阿波大谷・立道・教会前・金比羅前・撫養)を9月19日日曜日、一気に乗り降りしてきたのでそれを3章構成でお届けします。最後まで読んでくれたらすげえうれしいでござる。画像はすべて文章の終わりに集めて貼っております。お粗末な写メですが、ご覧くだされ。
 前日、9月18日にこの旅のための切符を手に入れておきました。JR四国普通列車と快速の自由席を1日乗り降り自由、わずか2000円のお得な切符「四国再発見早トクきっぷ」です。これは列車に乗りたい当日の購入が不可能で、平日の使用も不可能なのが残念なところです。このきっぷを使うのはこれで4枚目ですよ。
 たいへん良いお天気ですな。これまでの暴力的なお日様にくらべたらだいぶマシです。田植えが終わって、田んぼを耕すトラクターがいました。その周りには白いサギがうじゃうじゃ。掘り起こされて出てきた虫でも狙っているのでしょうかね。
 さて、列車に乗りました。朝の牟岐線、海部行です。2両編成ですが、牟岐から海部までは前側の1両のみになるので前側の車両に乗っておきます。牟岐よりさらに南に向かいますから。最初の目的地である阿波海南駅まで約2時間、1時間くらいは寝てしまいました。海に沿っている牟岐線ですが、ほとんど海が見えなくて杉の山ばかりなので残念な車窓です。寝てしまってもかまいません。ていうか、以前散々車窓を楽しみましたから。
 起きたら一番前の席に女性がいました。この女性は街でショッピングをするようなオシャレさんだったのですが、一眼レフカメラを持っていました。運転席となりの窓から何かを撮ろうとずっと前を見つめていました。ううむ、こういう客がいると旅情が味わえるので、良いですなあ。それにしてもこの女性はきっと海が見えるにちがいないと思いこんでいたのでしょう。地図などで見たらまるで海が見えるような感じですからね。でも、実際は残念。
 牟岐駅で後ろの車両を切り離しました。牟岐駅からの乗客は10人ほどです。これって多いほうじゃないのかな。阿波海南駅に到着です。牟岐線はここからの眺めがいいのです。海沿いを走ります。砂浜や島が見えます。南国に来たのを感じられます。今日の海はひどくおだやかでした。それに、線路の状態も良くなります。牟岐駅から南の線路は北の線路とちがってつくられた時期が新しいので枕木がコンクリートで、トンネルが多く、カーブ少なめです。車両も今年3月から新車になりました。
 9時2分、阿波海南駅に到着です。ローカル線でして、しかもJR四国の駅はだいたい屋根や数人しか入れない血一茶菜小屋しかないものが多いのですが、阿波海南駅はたぶん地元の町がつくったと思われる駅舎がありました。駅前通りもありました。まだ朝早いから店はどこも閉まっていますが。徳島南部ではまだ人が多く住む地域ですな。
 ここで65分待って牟岐行に乗車、鯖瀬駅へ向かいます。ほかにも3人がいっしょに乗ってきました。これって多いほうじゃないですかね。
 8分で鯖瀬駅に到着です。この駅では53分待ちなのでがんばって時間つぶしましょう。すぐそばには四国八十八カ所のうちのひとつではないのですが、番外札所の鯖大師があります。ちょっと行ってみました。ぶらり途中下車の旅みたいですな。お寺が近くにあるようなのでちょっと行ってみましょうかね。(阿藤快風)
 線香のにおいがちょっと変でした。くちゃい。このお寺には洞窟がありまして、その洞窟には何かがあるようです。鯖の形の石がありましたけど、やっぱり鯖と何か関係あるのでしょうかね。
面白い石碑を見つけました。四国霊場を巡って10周年を記念する個人の石碑です。ほかにも20周年などもありました。これからこういう人が増えて石碑も増えていくのでしょうか。お寺に来るとこういう石碑が多いですけど、これって石屋の思うつぼじゃないですかね。
お寺に飽きて、駅に戻りました。待合室のくもの巣を取り除いて座りました。さて、まだ時間はありまして、どうやって時間をつぶすのかというと、お絵描きします。いやあ、ちょっと、イラストを描けるようになりたいなあと思いましてね。2週間くらい前から練習をはじめました。この年でお絵描きに手を出すのはあまりにも遅すぎるということにおととい気づいたのですが、まあ、いいや、どうにかなるさ。
 ほかに客が来る気配はまったくないので、ひたすら描いていました。
 11時8分、列車が来て、乗りました。次に目指すのは阿波海南駅鯖瀬駅の間の浅川駅です。4分で到着です。乗った列車はまさかのシート満員でした。席に空きがありませんでしたよ。すげえ! どうしたんだ、何があったんだ、牟岐線
 浅川駅に着いてみると、すぐ前に国道55号があり、その向こうには小学校と浅川の漁村が広がっていました。小学校では運動会をしていました。さすがに小さな集落の小学校ですから、生徒はたぶん50人もいないようでした。今までずっと練習してきたという一輪車の技を披露していましたよ。ふたりで手をつないで回転したり、10人くらいで手をつないで風車をやったりしていました。まあ、失敗したのは愛きょうですぜ!
 浅川駅では27分待って、牟岐行に乗車しました。牟岐で乗り換えて阿南行に乗車、目指すは山河内駅です。乗客の中にはちらほらお遍路さんの姿がありました。こういうところは四国独特ですな。
 牟岐と海部の間を行ったり来たりする列車の運転手が毎度同じでした。ワンマン列車ですし、駅も無人ですから運転手が乗り降りする人の切符を確認します。そのたびに、(またあなたですか)みたいな感じになるのでした。(あなたのきっぷは四国再発見きっぷね、はいはい)みたいな感じでした。
 それにしても、バカだから最近風邪を引いてしまい、そのせいでおさまっていたぜんそくが復活していたところです。坂を歩いたりするとゲホゲホと咳をして、たんがからんで息ができなくなり、死ぬかと思いました。

刈り取ったあとの田を耕すトラクターに集まる白いサギ。

阿波海南駅

阿波海南駅前の駅前通り。

鯖瀬駅

鯖大師。ここの線香が変なにおい。

目が怖い。

石のサバ。

鯖大師本坊

石碑。四国霊場巡り10周年などを記念している。でも、ここは番外札所だよな。

浅川駅。近くの小学校では運動会。
 牟岐線午後編につづく。