2023年8月日本公開
監督:ピーター・ソーン
脚本:ジョン・ホバーグ、キャット・リッケル、ブレンダ・シュエ
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あらすじ:火、水、土、風のエレメントたちが生活しているエレメント・シティ、故郷を出て商店を営む父と母のもとで暮らしている火の少女エンバーは父に代わって店を経営しようとして大失敗したところで水の青年ウェイドと出会った。火と水が交わることなど考えられないことだが、ふたりは徐々に心を通わせる。エンバーの失敗で店は営業停止させられる危機にあったが、エンバーとウェイドは店を守るために行動するのだった。
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予告以外の情報は得ずに見ましたが、そう来ましたかという内容でした。エレメント・シティはニューヨークみたいなものでありそれぞれの種族が故郷を離れて移住してきたわけですね。火の種族もそのひとつだったのですが、火という特性がほかの種族とうまく交流することを阻みます。そのため火だけはエレメント・シティの中のファイヤタウンからほとんど出ず、ほかの種族からも疎まれているといった状況です。
このような状況を題材にした映画といえば近年ではイン・ザ・ハイツやウエストサイドストーリーが浮かびますね。イン・ザ・ハイツは主人公が商店を営んでいるので特に近い作品となります。このような状況を火や水のエレメントに置き換えています。
たいへん良い題材だと思いますが、日本では果たしてどれほど受け入れられるでしょうか。
火が水害に悩まされているのですが、エンバーの失敗で水害が起きているように見えます。ただ、水害の原因は行政の怠慢でした。火の人々だけが困ることだから対策を講じなかった行政がこの作品の最大の悪です。なので、市役所側がエンバーたちに謝罪する場面がほしかったのですけども。そんなものはなく、火の人々が自力で立ち直っていくだけでした。
厳しい世界ですな。エレメントと移民問題をうまく絡めた良い題材なのでもうちょっと、こう、なんとかしてほしい作品です。