2020年8月公開
監督:下村勇二
脚本:灯敦生
原案協力:園子温
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あらすじ:足利将軍家剣術指南を務めた吉岡一門は当主を宮本武蔵に倒されていた。そこで、次代の当主となる幼い亦七郎と決闘することを持ちかけた。門下生100人と雇った者300人を潜ませて、宮本武蔵を討ち取ろうとした。ところが奇襲で亦七郎が討たれた。ここから、400人対宮本武蔵の決闘が始まる。
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すごい。
その一言に尽きます。この映画について解説した動画がyoutubeにあります。「狂武蔵」で検索してくれたらすぐ出てきますのでそちらを見てもらうとわかりやすくなっています。
400人斬りの場面は77分間のノーカット映像なわけですが、こちらはすでに2011年頃に撮影済でした。しかし、お蔵入りとなりました。製作陣は公開するために資金集めなどをして2020年の公開となったわけですね。
新たに加えられた場面は作中では「7年後」の決闘です。この7年後は本当にそうなってしまったわけです。でも、新しい場面はドローン撮影や編集によって正直すばらしいものになっています。77分見たあとに7年後を見ると、すべてはこれのためだったとなります。
宮本武蔵役の坂口拓がかっこよすぎます。基本的には刀1本で斬っていくのですが、時折相手の刀を奪って二刀流になることもありましてこれもまたかっこいいのです。相手の刀を防ぐときの宮本武蔵の構えも目新しくて、そして、かっこいいのです。
ただ、77分間の部分は予算の都合でなかなか厳しいものがありまして、400人の侍を用意するなんて無理なわけです。そしたら、同じ人が繰り返し出てきてしまうのです。上記の動画では同じ人が何度も出てくることを「斬られた人がゾンビすぎる」としていましたが。これについてはですね、朽ち果てた門で斬りあう場面で25人くらいが繰り返し斬られていくのですが、私は「もしかしてエンドレスエイトかな」と思いながら見てしまいました。もしかして、この映画はファンタジーなのかな、って。25人の繰り返しは少なくとも5周したでしょう。でも、そうじゃなくて、予算の都合でやむをえずそうなってしまいまして同じ人が斬られていることを隠しているのですが、見ているこちらはそれに気づいてしまうともうダメでした。それと、4人くらいが連続して斬られるときは、斬られる側の姿勢がちょっとアレです。
あと、給水所は笑ってしまいました。
日本刀というものは某作品によると「斬って5人、突いて10人」だそうです。大勢を斬ることはできません。なので、作中では新しい刀の補給もありました。