2017年8月公開
監督、脚本:原田眞人
原作:司馬遼太郎
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あらすじ:島左近と出会い伊賀の忍者初芽を愛した三成は徳川家康の野望を阻むために戦う。
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大河ドラマ、それと毎年恒例の年始大型時代劇で合戦シーンが省かれるようになって久しいですね。
もしかしたらこの映画なら大規模な合戦シーンを見せてくれるかもしれない、そう期待していました。
蓋を開けてみると久々にその合戦シーンを見ることができたと思います。
ただし、兵士の密度が低くてさすがに1970年の「天と地と」みたいな真っ黒な兵士の中を真っ赤な兵士がなだれ込んでいくというのは無理ですね。合ってますかね、合戦シーンのこの場面は「天と地と」でしたかね。
「当時の合戦は実際はこんな感じだったと思うんです」
「三成と家康のやりとりとかこういう説もあるんですよ」
そういう感じでこの映画は作られているんじゃないかなと思います。合戦というのは本当はこんなぶつかり方をしていたのだよという見せ方によってエキストラの少なさをごまかしたのでしょうね。実際の関ヶ原は広大な野原ではありません。小さな山が連なっているし、当時はそれなりに森もあったのではないでしょうか。そういうところも今作では再現した合戦になっていたと思います。それと、今作は合戦シーンが長いです。ひたすら軍議やら関ヶ原の戦いに至るまでのやりとりに時間を費やすなんてことはありませんでした。
有村架純にアクションをさせるとかっこいいというかなんというか、「アイアムアヒーロー」のときの架純ちゃんもよかったですが、今作もよかったです。
今作では家康を演じた役所広司は、表情が良いですね。三成に対する怒りをぶちまけた場面では画面いっぱいになった役所広司の憤怒顔が面白かったです。腹も見事なボテ腹でした。
あと、今作で島津義弘役を演じた役者さん、たしか「葵 徳川三代」でも島津義弘でしたよね。
残念だったのは、音声のせいなのか、劇中のどの演者のセリフも聞き取りにくかったです。尾張弁や薩摩弁など、皆さんが方言まるだしなのがますますセリフを聞き取りにくくしてくれました。だけど、方言まるだしだったのは尾張の人と薩摩の人だけで、それ以外は普通でしたね。徳川勢は三河弁しゃべるべきじゃないですか。
とにかく、三成は不器用だけど正義で、家康は極悪で、七本槍はバカばっかりでした。淀殿の出番が少ないのは良い方向に働いたのではないでしょうか。
「関ヶ原」、ぜひぜひ劇場でご覧ください。