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ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「ベイマックス」吹替2D感想(ネタバレ)


2014年12月20日公開
監督:ドン・ホール、クリス・ウィリアムズ
脚本:ジョーダン・ロバーツ、ドン・ホール
原作:スティーブン・T・シーグル、ダンカン・ルーロー《ビッグ・ヒーロー6》
製作総指揮:ジョン・ラセター
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 近未来、サンフランソウキョウに住む14歳の少年ヒロ・ハマダは高校を卒業してからその優秀な頭脳をロボットファイトでの賞金稼ぎに費やしていた。兄タダシは見かねて彼を自分の大学へ連れていく。尊敬するロバート・キャラハン教授と出会ったことでヒロは大学入学を目指す。入学を認めてもらうためにマイクロボットを開発して披露し、見事に教授から入学書類を受け取った。ところが、披露した会場が火災に巻き込まれて教授とタダシが亡くなった。
 大学に行かずふさぎこむヒロはある日ベイマックスの行動によって事件に巻き込まれていく。
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 バララララララ。
 悔しいけど、ベイマックスがかわいい……ウォーリー以来ですわ。ウォーリー以上に表情のないベイマックスがあれこれと動くことによってかわいいのであります。
 これまで映画館で何度も予告を観てきましたが、どんな映画なのか読めませんでした。いつも映画の前情報をほとんど調べることなく映画館に行く私は、ベイマックスとヒロのほのぼの日記なのかなと思っていたのですが、全然そんなことないです。冒険活劇ではありませんか。しかも戦隊ヒーローですな。
 スーパーヒーロー物としては目新しく感じられるところはないですし、アクションもそれほど気分の乗る場面がありません。
 ベイマックスのかわいらしい動きに心を奪われる、そういう映画です。
 タダシが死んだ原因は、教授が燃えている会場に残されていると知って助けるために突入したからです。
 タダシと教授は死んだのでした。ヒロの開発したマイクロボットと共に。ところが、誰かがマイクロボットを再び作り出して残骸を集めているのでした。
 それを目撃したヒロはマイクロボットを操るマスクの男に追われるのです。正体は教授だったわけで、当然兄を亡くしているヒロの怒りが教授に向きます。
 一方で教授はテレポーテーションを可能にする装置の残骸を集めていました。昔、実験で娘が装置の向こうの世界に行ったまま帰ってこなくなったからです。しかし、ベイマックスが装置の向こうの世界に教授の娘が生きていることを見つけました。
 ここで私は、一度死んだと思われた人間を生き返らせる脚本をよろしくないと思いました。でも、教授の娘を救い出す代わりにベイマックスが装置の向こうの世界に残されるのです。そうきたか、とうなりました。ヒロとベイマックスのコンビがなくなってしまうことになりますからね、私は泣きましたね。
 教授も娘の復讐心から今までマスクを付けて暴れてきたのにそれらは無意味だったのです。
 その後、ヒロは兄タダシが作ったベイマックスを新たに作りました。さて、気になるのは、その新しいベイマックスにこれまでの記憶がありません。当然です。失われたベイマックスにはタダシの記録もあったのですが、それも失われています。
 もう、この新しいベイマックスは別物でしかないのです。にもかかわらず、ヒロは新しいベイマックスと抱き合っているではありませんか。この薄情者め。ちょっと許せなかったです。
 それと、なぜ舞台が日米の融合した都市なのか不思議でしたし、意味があるようには思えなかったです。その件については、原作がそもそも日本を舞台にしているのですね。その原作を大幅に変えているわけです。それでサンフランソウキョウが誕生したのでした。
 さて、スタッフロールが終わったあともまだ続きがあります。帰らないでください。この終わり方は、続編があるということでいいのでしょうか。
 作中に出てきたパトカーが思いっきり日本型の白黒パンダでした。パトランプは赤と青でしたが。それと、中国文化が散見されました。このことについては、サンフランソウキョウという都市名からもわかるとおりサンフランシスコと東京から来ているわけで、サンフランシスコはアジア系が多いですし東京も移民は世界の都市に比べたら少ないほうだけどいろいろな文化を日本的に取り込んで独特の都市になっています。(日本ならどこでもそうですが。)なので、そういうところは気にする部分ではないのでしょう。サンフランソウキョウのベースはサンフランシスコです。金門橋があるし、地形もサンフランシスコそのものです。
 とにかく、ベイマックスを愛でる映画でした。ベイマックスに温めてほしいわ……。こんな寒い夜はベイマックスにだいしゅきホールドされたいわ……。
 恒例の短編映画もベイマックスの前にありました。今回は「愛犬とごちそう」というタイトルです。エサに釣られて拾われた子犬が、毎回もらう食べ物を通して飼い主の出会いや別れを見つめる作品です。それだけだったらいつもどおりの良い短編なんでしょうけどね。
 もらっている食べ物がフライドポテト、スナック菓子、スパゲティ、アイス、ミートボール、そんなものばっかりなんですよ。こんな食べ物を犬に限らず動物に食べさせるのははっきり言って虐待です。本来なら早死にしてしまう原因になります。絶対にやってはいけないことです。それをまるで良い物語であるかのように作品にしているのが許せません。そんなわけで、食べ物の内容に気を取られて楽しめませんでした。
 というわけで、2014年最後の映画館での鑑賞作品でした。ここまで読んでくださった方々、本当にありがとうございます。